HubSpotは、CRMツールとして名高いですが、その中身は「Marketing Hub」「Sales Hub」「Service Hub」の3製品に分かれます。これら3製品に契約することで販売活動全般を包括するようなCRMツールとして利用が可能です。
また、現状使っているツールと組み合わせたい場合には、3つのうち1つだけ契約をするといった使い方も可能です。いずれにせよ各製品でできることを抑えることで、HubSpotを最大限活用することができます。
今回は3製品のうち、HubSpot Sales Hubについて解説していきます。
HubSpotの全体像を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
※本記事はHubSpotパートナー認定のデジマール株式会社が監修・執筆しています。
HubSpot Sales Hubの概要
HubSpot Sales Hubを一言で表すと、「SFA(Sales Force Automation)」です。SFAは、営業活動自動化のことであり、そのための営業活動支援ツールも指しています。
HubSpotはCRMであり、顧客情報の管理を行うツールです。CRMとSFAを明確に切り分けることは難しいですが、HubSpot Sales Hubは、顧客情報の中でも、営業活動の状況を管理している部分と解釈すると、それぞれの機能を把握・理解しやすくなります。
Hubspot Sales Hubの主な機能|コミュニケーションの開始
マーケティング活動を通じてリードを獲得したら、様々な手段でリードにアプローチをしていきます。HubSpotでは、代表的な手段であるEメールや電話で成果を上げるための機能が備わっています。
Eメールテンプレート
効果が高く、何度も使用するEメールをテンプレートに設定できます。パーソナライゼーションや最適化を施したり、チームで共有することも可能です。
カスタマージャーニーの各段階で利用できるテンプレートが標準搭載されており、もちろん新しいテンプレートを作成することも可能です。
テンプレートは、Outlook、Office 365 for Windows、Gmailの受信トレイから1クリックで呼び出し可能です。
テンプレートごとの送信率、開封率、エンゲージメント率を比較可能で、効果の高いテンプレートを共有することができます。
Eメールトラッキング
Eメールを開封、リンクをクリックしたリードがいると、デスクトップ通知が届きます。反応したリードにはパーソナライズしたメールを送信、反応がなかったリードにも自動送信のメールを続けます。
また、提案書など重要なドキュメントをダウンロードした直後に、電話やEメールでのフォローアップも可能です。
コールのトラッキングと記録
受話器なしで電話が可能です。
個人に割り当てられた電話番号を使用して、VoIP通話や一般回線からプロスペクトに発信します。録音オプションも用意されているので、会話の内容をしっかりと振り返ることができます。
電話の内容は、リードごとに記録されます。英語版では、Googleの文字書き起こしサービスを利用した文字起こしも可能です。
Hubspot Sales Hubの主な機能|信頼関係の強化
メールや電話で初期接点を築いたうえで、より強固な信頼関係を築くためのツールもSales Hubでは準備されています。ミーティングを手軽に設定したり、パーソナライズされたEメールを送信したりできます。
ミーティング設定
メールを何度もやり取りしてミーティングの日程調整をする必要がなくなります。予定はGoogleカレンダーやOffice365カレンダーと同期されるため、常に最新の空き状況を提示可能です。
ミーティングの時間を30分単位にする、ミーティングの前後1時間は空き時間と認識させないなど、詳細な設定で効率的にミーティングの日程調整が可能です。
セールスオートメーション
シーケンス(一連のEメール)を作成し、プロスペクトに送信することで、育成・フォローアップしていくことができます。
また、自動送信メールをパーソナライズし、各メッセージごとに詳しい内容を加えれば、違和感ないコミュニケーションが可能です。
ワークフローを設定すれば、リードの割り当て、取引の作成、タスクの自動化などの営業オペレーションに活用できます。ほかにもコンタクトの重要なアクションや、フォローが必要なコンタクトが発生した時は、メンバーにアラートを送信するワークフローも設定可能です。
ウェブチャット
ウェブサイトの訪問者とリアルタイムでやり取りし、リードへの転換を後押しします。
表示されているページや訪問者のセグメントごとに異なるメッセージを表示可能です。
チャットボットを活用すれば、リードの見極め、ミーティングの予約、よくある問い合わせへの回答を自動化できます。
Hubspot Sales Hubの主な機能|パイプラインの管理
各取引をパイプライン形式で管理することができます。「打合せの約束済み」「打合せ終了」「購入決定」「アップグレード商談中」「クローズ済み」といったセールスのフェーズに顧客が何人いるのか、売り上げの見込み金額はいくらなのかを把握することができます。
パイプライン管理
パイプラインでは、取引(商談)を管理します。
コンタクトや企業のレコードを新しい取引として登録し、無料版では手動、有料版では自動で管理可能です。
以下の画像のように、フェーズごとに取引を管理できるほか、見込み売り上げ金額も算出可能です。
セールスプロセスに合わせてパイプラインの各ステージを設定でき、ステージの変動の条件もワークフローとして簡単に設定できます。
HubSpot Sales Hubのプラン
価格プランの概要
HubSpot Sales Hubには、「Starter」「Professional」「Enterprise」の3つのプランがあります。
上位のプランと契約することで、より複雑な自動化や、利用可能人数の増枠が可能です。
プラン |
月額料金 ()内はキャンペーン価格 |
年間料金 ()内はキャンペーン価格 |
利用可能なユーザー数 |
Starter |
6,000円 (5,400円) |
72,000円 (64,800円) |
2人 |
Professional |
60,000円 (54,000円) |
720,000円 (648,000円) |
5人 |
Enterprise | 144,000円 | 1728,000円 | 10人 |
どのプランを選べばいいの?
まずは、Sales Hubを使う人数に応じてプランを検討してみましょう。Starterなら2人、Professionalなら5人、Enterpriseなら10人の制限があります。
また、追跡できるEメールもFreeでは毎月200件までですが、Starter以上のプランでは無制限に解放されます。EメールのテンプレートもFreeでは5件までしか登録できませんが、Starter以上のプランでは1,000件まで登録可能です。
HubSpot経由の電話時間についても、Freeは15分、Starterでは8時間、Professionalでは16時間、Enterpriseでは33時間と段階的に制限されています。
営業担当が数人と少ない場合、かつリードも多くない場合はFreeから始めてみるとよいですが、HubSpotの機能制限のために営業がかけられないとなっては本末転倒なので、営業担当が2人以上で、Eメールのテンプレートが多く必要であり、パイプラインも2つ以上必要な場合には、有料のStarter以上のプランを検討してみましょう。
HubSpotのバンドルについて
バンドルとは、束という意味の英単語です。文字通り、HubSpot製品「HubSpot CRM」「HubSpot Marketing Hub」「HubSpot Sales Hub」「HubSpot Service Hub」「HubSpot Operations Hub」のセットを割安(単体購入の合計の25%OFF)で利用できるのが、HubSpotのバンドル、「Growth Suite」です。
HubSpot製品は統合型マーケティングプラットフォームと謳っているように、各製品を組み合わせることで真価を発揮します。そのため各製品のセットを割安で利用できるバンドルは、HubSpotを使いこなす上で便利です。
「Growth Suite」にも「Starter」「Professional」「Enterprise」の3種類のプランがあります。
プラン |
月額料金 ()内はキャンペーン価格 |
年間料金 ()内はキャンペーン価格 |
Starter Growth Suite |
9,000円 (8,160円) |
108,000円 (97,920円) |
Professional Growth Suite |
213,600円 (192,00円) |
2,563,200円 (2,304,003円) |
Enterprise Growth Suite | 480,000円 | 5,760,004円 |
まとめ
ここまで、HubSpot Sales Hubについて、できること、料金体系、バンドルについてみてきました。
HubSpot Sales Hubは、マーケティングの効率化、自動化を推し進めるのに必要な機能を数多く有しています。ワークフローやパイプライン型の商談管理、ミーティング設定機能など、セールスの管理からやり取りまで幅広く抑えている製品と言えるでしょう。