MAツールとして有名なHubSpotですが、CRMやCMSとしても高く評価されており、さまざまな機能が1つのツールとして統合されているのが大きな魅力です。また、HubSpotにはさまざまなツールと連携ができるという強みもあります。HubSpotの公式サイトによると、アプリマーケットプレイスへの登録アプリ数は500以上に上るとのことです。そんななかで、連携相手として特に選ばれているツールには何があるのでしょうか。
HubSpotの全体像を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
HubSpotとの連携におすすめのツール
最初は、HubSpot自体が保証するネイティブレベルでの連携が便利なツールです。
WordPress
CMSとして世界ナンバーワンのシェアを誇るWordPressは、一般の人のブログから企業のコーポレートサイトなど、さまざまな環境において広く利用されています。HubSpot自体にもCMS機能がありますが、WordPressと容易に連繋が可能です。両者を連携させることで、HubSpotに登録済みのコンタクトの情報(サイトの訪問時間等)について、時系列でわかりやすく把握できます。
Eventbrite
Eventbriteは、TwitterやFacebookなどのSNSと連携して、イベントの告知等を行うためのツールです。HubSpotと連携させることで、Eventbriteに登録済みの情報を簡単に同期できるようになります。オンラインでの集客やチケット販売等に便利です。
GoToWebinar
GoToWebinarとは、その名の通りウェビナー管理ツールです。ウェビナーの告知に始まり、出席者の管理から実際の配信まで、あらゆることがこのツール1つでできるうえ、参加者の視聴状況の把握まで容易にできます。
HubSpotとの連携により、同ツールによって作成されたランディングページ経由でウェビナーへの登録が可能になります。また、ウェビナーの視聴状況に基づいたスコアリングやコンタクトの選別が可能です。
Wistia
Wistiaは、BtoB版のYouTubeとも言える動画配信のためのツールです。このツールを活用することで、ユーザーの視聴状況など詳細なデータの収集や分析が可能になります。また、ユーザーに対して動画の視聴を許可する代わりにメールアドレスを登録してもらうような、リードの獲得にもつながる使い方も可能です。
HubSpotと連携することで、Wistiaのユーザー情報の同期が簡単になり、その情報をもとにスコアリングやコンタクトの選別などができるようになります。
Salesforce
Salesforceは世界でナンバーワンのシェアを誇るCRMです。全世界で10万社以上の企業に利用されています。HubSpotにもCRMの機能がありますが、Salesforceなどの他社製品との連携も容易です。SalesforceとHubSpotをつなぐことで、コンタクトの情報などの同期がリアルタイムでできるようになります。
Google Calendar
Googleが提供する有名なスケジュール管理ツールです。HubSpotと連繋させれば、同ツールに登録済みの情報を瞬時に同期できます。商談などのスケジュールの共有に便利です。
UberConference
UberConferenceは、クラウドベースのビデオ会議システムです。インターフェースに優れており、HubSpotを始めとしたさまざまなツールとの連携も容易にできます。ビデオ会議でのやり取りや顧客情報などの同期が、自動で可能です。
Sidekick
Sidekickは、OutlookやGmailなどのメールソフトとともに使用されるセールス向けの通知ツールです。たとえば、見込み顧客にメールを送信した場合、相手がそれを開封したタイミングでリアルタイムに通知することができます。ベストなタイミングで営業をかけられるとして、さまざまな企業の営業部門に採用されているツールです。HubSpotとの連携機能は有料のオプションですが、両者をつなげることで電話のログを自動的に同期できるようになるでしょう。
HubSpotと連携したいオフィススイート
営業担当は、一日の多くの時間を顧客や取引先とのコミュニケーションに費やします。そのコミュニケーションを円滑にするためにオフィススイートを利用する企業は多いでしょう。
G Suite
Googleのオフィススイート、G Suiteは、HubSpotと連携させることで業務効率を今以上に改善します。具体的にどのようなことができるのでしょうか。
まず、HubSpotでのコンタクトの管理画面から、メールを直接送信できるようになります。そのログも自動的に保存可能で、従来のような、やり取りしたメールをコピー・アンド・ペーストで保存するという手間がかかりません。また、メールの追跡が可能になるため、受信者がメールを実際に開封したことが通知されるようになります。
さらに、HubSpotとG Suiteを連繋させておけば、会議の予約などのスケジュールを作成した時に、それが自動的にGoogle Calendarにも同期されるのです。しかも、会議の参加者のスケジュールについてもGoogle Calendarによって抽出してくれるため、会議の日程の調整がスムーズになります。
Outlook
MicrosoftのOutlookもHubSpotとの連携が可能です。連携すると、HubSpotでメールを直接送信したり、そのログをとったり、また、送信したメールを追跡できたりといったことができるようになります。基本的に、G Suiteと連携した時と同じようなことができると考えてよいでしょう。
ビジネスチャットツール
ビジネスチャットツールのなかにもHubSpotとの連繋でより便利に使えるものがあります。
Slack
数あるビジネスチャットツールのなかでも、特に多くの企業が採用しているのがアメリカ生まれのSlackです。Google CalendarやGoogle Driveなどを始め、さまざまな外部サービスとの連繋が可能であり、すべての通知をSlackに集約させることができます。
HubSpotとの連繋ももちろん可能で、それによってHubSpotを開いていないときでもリアルタイムに通知やリマインドを送信できるようになります。サイトのフォームから送信があった時など、その通知がリアルタイムにSlackで表示できるため、遅延のないスムーズなリアクションが可能になるでしょう。また、Slack内で直接HubSpotのタスクを作成したり編集したりもできるようになります。
フォーム作成ツール
HubSpotにもフォームを作成する機能はありますが、フォーム作成に特化したツールと連繋することで、より洗練された質の高いフォームを活用できるようになります。
SurveyMonkey
テンプレートや項目数が豊富で、カスタマイズも自由自在なのに無料で利用できるとして、多くの企業が採用しているのがSurveyMonkeyです。HubSpotと連繋させることによって、新しくHubSpotでカスタムフィールドを作らなくても、フォームを追加したり編集したりできるようになります。また、SurveyMonkeyによってアンケートフォームから得られた回答を分析し、それをフィードバックしHubSpotで見込み顧客を分類するようなことも可能です。
メールマーケティング
メールマーケティングの機能もHubSpotは備えていますが、海外では特にMailchimpが高いシェアを占めているため、Mailchimpを始め、外部のメールマーケティングツールと連繋できるようになっています。
Mailchimp
Mailchimpは、優れたインターフェースとリーズナブルな価格で人気のメール配信システムです。海外ではさまざまなMAツールのなかでトップクラスのシェアを誇っています。HubSpotとの連繋により、見込み顧客に適切なタイミングで最適なメッセージを送信できるようになるでしょう。
NeverBounce
メール検証ツールのNeverBounceも、HubSpotと連繋させることでより便利に活用できるようになります。
すでに無効なアドレスなのに送信し続けていると、メールが何度も拒否されるうちにスパムとしてマークされてしまいますが、NeverBounceを使えばそれを自動的に排除可能です。HubSpotのリストにNeverBounceでのそうした検証結果を反映させることで、無効なリストを除外して、メールの不達率を下げます。
オンライン商談システム
2020年からの新型コロナウイルス感染拡大により、訪問営業の機会は激減しました。それに代わってニーズが劇的に高まっているのがオンライン商談を可能にするシステムです。実際、訪問営業よりも効率的なので、今後はこの種のツールが主流になっていくでしょう。HubSpotとの連繋が可能なシステムも増えつつありますが、ここでは世界的に知名度の高い「Zoom」を取り上げます。
Zoom
オンラインでの商談や会議を可能にするツールとして、おそらくZoomは最も高い知名度を獲得しているでしょう。そんなZoomとHubSpotを連繋させることで、Zoomのコードを自動的にHubSpotの会議に追加することができます。Zoomで行うウェビナー等の連絡先をHubSpotに追加するのも容易です。
ドキュメント作成ツール
請求書や契約書などの作成に、昨今多くの企業で利用されているのがドキュメント作成ツールです。HubSpotもさまざまな書類を作成できる機能を備えていますが、ドキュメント作成に特化した外部ツールとの連繋により、業務効率のさらなる改善が望めるでしょう。
PandaDoc
AIを利用して文書を自動で作成できるのがPandaDocです。また、作成した書類に、オンライン上で簡単にクライアントに署名してもらえます。HubSpotとの連繋により、取引に必要な書類をCRM上で作成することが可能です。CRMの情報を参照して作成するため、作業効率が上がるだけでなく、高い精度での書類作成が可能になります。また、HubSpotのトラッキング機能により、送信した書類を相手が閲覧したかどうかといったことも確認可能です。
データ分析ツール
施策を実施した後の分析のために、さまざまなツールが用いられています。業務効率化や収益アップのためにもはや欠かせない分析ツールですが、HubSpotと連繋してよりハイレベルの分析を可能にしましょう。
Databox
オンライン広告、Googleアナリティクス、SNSなどのさまざまなKPIを1つに統合し、HubSpotでのダッシュボード化を可能にします。さまざまなデータを包括的に分析できるようになるため、最も流入の多いチャンネルに、最も効率の良いアクションを取ることも容易になるでしょう。
Insycle
データ分析に欠かせないのが、データクレンジングです。膨大な量のデータを日々、追加、更新を繰り返していると、なかには不備が発生することも避けられません。データの不備をなくし、正確な分析を行うためにはデータクレンジングのためのツールが必要です。それを可能にするのがInsycleであり、HubSpotとの連繋により重複データの統一が一瞬でできるようになります。従来、手作業で長時間かけて行っていた修正作業でも、これを活用することでわずか数分内に短縮可能です。
その他のツール
上記以外の目的のツールのなかにも、HubSpotとの連繋が可能なツールはたくさんあります。そのなかでも特に利用頻度の高いと思われるツールをピックアップしました。
freee
クラウド会計ソフトとして有名なfreeeが、2020年5月からHubSpotと連繋できるようになりました。フロントオフィスとバックオフィスでのデータの同期が自動でできるようになるため、入金状況の把握やマーケティングキャンペーンの設計などに役立てられるでしょう。
Miitel
AIによる通話内容の解析により、営業効率アップが期待できるのが、クラウドPBXのMiitelです。freeeと同じく2020年5月からHubSpotと連繋できるようになりました。コンタクトの管理画面からワンクリックでの発信が可能になるとともに、通話で得られた情報が自動でデータ化できます。これにより、情報共有の効率が大幅にアップするでしょう。