HubSpot導入マニュアルでは、HubSpotを導入したいマーケティング・セールス担当者向けに、HubSpotの概要、事前準備、製品やプランの内容や料金体系について解説していきます。今回は第7弾、「HubSpot CMSとは?」です。
HubSpotは、CRMツールとして名高いですが、WordPressに代表されるようなCMS(Contents Manegement System)の機能も提供しています。
HubSpot CMSは、HubSpotのCRM機能と組み合わせて利用することも、CMSツールとして独立して契約することも可能です。
HubSpotのCMSは、ブログ記事の更新だけでなく、ランディングページやウェブサイトの固定ページの新規作成、編集も行うことができます。その概要や機能についてみていきましょう。
HubSpotの全体像を確認したい方は以下の記事をご覧ください。
※本記事はHubSpotパートナー認定のデジマール株式会社が監修・執筆しています。
CMSとは
CMSとは、「Contents Manegement System」の略で、ホームページやブログなどのコンテンツを作り、運用管理していくためのツールです。WebサイトはHTMLやJavaScriptなどのプログラミング言語を作って作られますので、それらに関する知識や経験が必要です。
一方CMSを導入すれば、ドラッグアンドドロップでWebサイトを構築することができます。そのため、基本的な構成であれば、プログラミング言語をほとんど知らなくてもホームページやブログを作成していくことができます。
このような利便性のために、CMSは多くのブロガーや企業によって利用されてきました。
有名なものとしては、WordPressがあります。WordPressは無料で利用可能です。
WordPressが無料で使えるからこそ、なぜHubSpot CRMを利用すべきなのかそのメリットを明らかにする必要があります。
HubSpot CMSとWordPressについて
HubSpotはCMS機能の1部分を無料で提供していますが、すべての機能を使えるようになるには、「Professional」や「Enterprise」のプランへの契約が必要です。
WordPressが無料で使えるのに、わざわざ有料のHubSpot CMSを契約する必要があるだろうかという意見も当然あるかと思います。HubSpotが公式にHubSpot CMSとWordPressの比較をしているので、概要を紹介します。
ブログ作成機能
HubSpot WordPress 簡単に操作できるブログエディター 〇 〇 ブログ記事の予約投稿 〇 〇 ソーシャルメディアへのシェア 〇
(Marketing HubのProfessional以上が必要)
〇
(プラグインが必要)
モバイルへの最適化 〇 対応しているテーマが必要 SEO支援 〇 追加のソフトウェアが必要 CTA(Call-To-Action)の作成 〇 追加のソフトウェアが必要 共同編集 〇 追加のソフトウェアが必要 コンテンツカレンダー 〇 追加のソフトウェアが必要 AMP(Accelerated Mobile Pages)のサポート 〇 追加のソフトウェアが必要 アナリティクス 〇 〇
(HubSpot for WordPressプラグインを使用)
ブログのメールマガジン 〇
(HubSpot CRMではEメールの送信が毎月2000件まで無料)
追加のソフトウェアが必要 ブログのインポート 〇 移行元のCMSによる
HubSpot CMSは有料ということもあり、WordPressと比較して利用できる機能が多いことがわかります。
上記に掲載しているのはあくまでブログ記事を作成する際に必要な機能の比較であり、ランディングページやWebサイトそのものを作成するとなると、HubSpotに軍配が上がります。
ランディングページやウェブサイト作成
ランディングページ
HubSpot WordPress ドラッグ&ドロップ操作によるページ作成 〇 テーマによっては追加のソフトウェアが必要 テンプレートエディター 〇 〇 テーマ 〇 〇 ページ別のCSS 〇 追加のソフトウェアが必要 ドラッグ&ドロップ操作によるフォーム作成 〇 〇
(HubSpot for WordPressプラグインを使用)
SEO支援 〇 追加のソフトウェアが必要 A/Bテスト 〇 追加のソフトウェアが必要 ページの適応型テスト 〇 追加のソフトウェアが必要 ウェブサイト
HubSpot WordPress ホスティング 〇 追加のサブスクリプションやソフトウェアが必要 CDN 〇 ホスティングサービスのプロバイダーによる セキュリティー 〇 ホスティングサービスのプロバイダーによる テーマ 〇 〇 ドラッグ&ドロップ操作によるページ作成 〇 テーマによっては追加のソフトウェアが必要な場合あり SEO支援 〇 追加のソフトウェアが必要 多言語コンテンツの管理 〇 追加のソフトウェアが必要 コンテンツのパスワード保護およびアクセス権設定 〇 追加のサブスクリプションやソフトウェアが必要 コンテンツのパーソナライズ 〇 追加のサブスクリプションやソフトウェアが必要
WordPressは多くの便利なプラグインを組み合わせて利用します。オープンソースゆえに、それらプラグインの更新頻度はバラバラで、突然提供停止されることもあります。また、個々のプラグインのセキュリティ上の懸念は完全には払しょくできません。
HubSpot CRMであれば、WordPressでいくつものプラグインを組み合せて搭載していた機能を、管理や更新の手間を考えることなく利用することができます。
これはHubSpotがクラウドでホスティングされているソフトウェアだからです。
HubSpotとWordPressを比較するとほかにも多くの違いがあります。SEO支援、A/Bテスト機能、セキュリティ対策などを簡単に行うことができます。
HubSpot CMSの価格について
HubSpot CMSは、「Professional」と「Enterprise」の2つのプランがあります。
プラン | 月額 | 年額 |
Professional | ¥32,400/月 | ¥388,800/年 |
Enterprise | ¥108,000/月 |
¥1,296,000/年
|
EnterpriseはProfessionalと比較してより緻密にウェブサイトを構築することができます。例えば、ログイン必須の会員限定コンテンツを作成したり、A/Bよりもバリエーション多くテストを行う適応型テストを実施することができます。Webサイトの運用を、HubSpotからエンジニア対応なしでどこまで行いたいかによって契約するプランを選ぶとよいでしょう。
まとめ
ここまで、HubSpot CMS Hubでできることとその価格についてみてきました。無料で利用できるWordPressは魅力的ですが、管理やセキュリティに難点があります。
エンジニアの手を借りずに様々な施策の実践、機能の活用ができるだけでなく、管理の手間がなく、セキュリティも対策されているHubSpotのCMSツールも検討してみるとよいでしょう。
HubSpot導入マニュアル、次回は「HubSpotトラッキングコードの設置方法」と題して、HubSpotを実際に活用するうえで必要な設定を見ていきます。