2021年6月24日に、Googleが「Chromeは2023年後半までCookieの廃止を行わない」と発表されました。
本記事では、延期発表のポイント、原因について解説します。
参照:REUTERS|Google delays Chrome’s blocking of tracking cookies to late 2023
※2022年1月25日に、GoogleはFLoCに代わる新技術「Topics」を発表しました。
概要
Googleは当初2022年初めを予定していたCookieの廃止を2023年末に延期することを発表しました。
さらに、この2023年末についても柔軟に変更する可能性があり得ると述べており、今後のさらなる変更も予測されます。
今回の発表によるポイントは以下の3点です。
今回の発表のポイント
- Cookieの廃止を当初の予定から約1年半遅れた2023年末に延期。さらに今後の変更の可能もある。
- Cookie廃止のステージは2つあり、2022年後半からステージ1が開始され広告業界に移行を促す。ステージ2で2023年末から3か月かけて段階的にCookie廃止を行う。
- 延期に至った原因はイギリスの競争当局による調査が続いているためと考えられている。
Cookie廃止の2つのステージ
Cookie廃止に関して2つのステージがあると発表されています。
ステージ1:代替技術を選択し、テストが完了し、APIが利用可能になった段階でスタートする。この代替技術のテストはイギリスの競争当局に結果が判断される。広告業界に移行を促すステージである。
ステージ2:2023年末から3か月かけて段階的に廃止を行う。
このように、ステージ1でプライバシーの透明性を確保することが現在の大きな課題になっています。
延長に至った原因
今回の延期の原因としてはイギリスの競争当局による調査が続いているため、当初の2022年初めでは対応することが出来ないと判断したからとされています。
現在、Cookie廃止においてイギリスの競争当局による同意がない限り実現しない状況になっています。
以前、Googleはイギリスの競争当局から「プライバシーサンドボックス」について調査を受けました。そしてその後、2021年6月11日に、イギリスの競争当局は「GoogleがCookieを削除しようとした場合に、60日以内であればこの動きを停止させられる権利」を獲得しました。
その為、GoogleのCookie廃止において最後の決定をできるのはイギリスの競争当局という状況になっています。
Cookieの代替技術予定のFLoCとは
Cookieの代替技術とされるFLoCについてはこちらの記事から解説しています。
FLoCの仕組み、FLoCで注意しなければならない点についてはこちらの記事をご確認ください。
FLoCとは
FLoCとは、Federated Learning Of Cohorts :コホートの連合学習という意味を持っています。
上述したように、似たようなブラウジング習慣を持つブラウザをグループ(コホート)化します。
ウェブサイトを訪れたユーザーを分析し、似ている何千ものユーザーを1つのコホートにまとめていきます。コホートはIDを持ち広告主などと共有しターゲティングを行います。そのため、「個人」ベースから「コホート」ベースのターゲティングに代わっていくのです。
写真元:Google Developers|Federated Learning of Cohorts(FLoC)の概要
まとめ
このように、今回のGoogleの発表によりCookieの廃止が2023年末まで延期されることが発表されました。
そして、さらなる変更の可能性も十分に考えられる為、Googleの最新の動きにキャッチアップし柔軟に対応することが求められています。
※2022年1月25日に、GoogleはFLoCに代わる新技術「Topics」を発表しました。