Yahoo!プロモーション広告は、2019年5月8日に、『広告掲載基準「広告の有用性について」判断基準変更のお知らせ』というタイトルの告知を出しました。
本記事ではこの告知に関する反応を交えた解説をおこなっていきます。

1 アフィリエイトサイトの出稿停止

Yahoo!プロモーション広告のヘルプページ(ガイドライン)内にある、「3.広告の有用性について」に次の項目が追加されました。

掲載できない広告

アービトラージサイト等、第三者のサイトへのリンクや広告が多数掲載されているものや、広告のクリック等をさせることを主目的としているようなもの。

簡単いうと、次のようなサイトは広告出稿がNGになりました。

 

  • 成果報酬型サイト
  • アフィリエイトサイト
  • 広告のクリックを目的にしたサイト
  • 上記に準じるとYahoo!が判断したサイト

 

ヘルプページに記載されている「アービトラージサイト」というのは、わずかな説明だけが書かれあとは広告リンクばかり、といったようなサイトを指します。ですからこのNGとなるサイトをまとめた表現、と捉えておけばいいでしょう。

またYahoo!の解説では成果報酬型サイト(アフィリエイトサイトを含む)という表現ですが、「成果報酬型サイト≒アフィリエイトサイト」と考えていいでしょう。
ですから今回の告知を一言でいえば、「Yahoo!プロモーション広告には、今後アフィリエイトサイトの出稿はできません」という解釈でほぼ間違いはありません。
この実施時期は「2019年6月3日から順次停止」ということです。

Yahoo!が広告掲載NGとしている例(Yahoo!プロモーション広告 ヘルプより)
https://support-marketing.yahoo.co.jp/promotionalads/guideline/articledetail?lan=ja&aid=13422#c02

2 世間の反応

この件に関してのツイートを見ていくと、

「よく決断した」
「Googleも続いて欲しい」
「正しい選択」

といった内容が目立ちます。

たとえば、次のようなツイートです。

【Yahoo!アフィ規制 Googleも続け】
“Yahoo! JAPANは短期的には彼らの収益が減るわけで、非常な英断だと思う。さらにGoogleやFacebook、Instagramも同様の方針を採って欲しい。あまりに詐欺的なアフィカス広告が多すぎるからだ。”https://t.co/aT0XAtqKwf— BLOGOS編集部 (@ld_blogos) 2019年5月9日

こうして見ると、広告リンクだけが貼られていたようなサイトを不快に思っていたユーザーが多かったのがわかります。

アフィリエイターと思われる層のツイートには絶望感を漂わせる内容もありますが、「自分は(きちんとした)ブログアフィリエイトで、これまでの内容を続けていく」というツイートもちらほらありました。
一部の目に余るPPCアフィリエイトは確かにあり、それが全面的な禁止につながったという形のようです。
ちなみにGoogle検索のサジェストでも「yahoo アフィリエイト」と入力すると「終了」というワードが出るように、なかなかインパクトのあるニュースとなっています。

3 関連した動き

ただしYahoo!はアフィリエイトサイトは全部ダメ、とまではしていません。よくある質問では「一部のサイトを除き」としています。
しかし一方では「(既存のサイトで)コンテンツ修正などをすれば掲載できるのか」という問いにはNG、また「アフィリエイトサイトと同等とみなされる」場合も掲載不可ということなので、このあたりは通常の広告出稿のように審査に出してから判断を仰ぐ、といった流れになるでしょう。
しかし確実なのは、広告リンクばかりでコンテンツがほとんどないサイトの広告掲載はできないということです。

Yahoo!はこの発表以前にも、まとめサイトや個人運営のゲーム攻略サイト等の広告配信を停止しています。

アドフラウド(不正広告)撲滅に向けて広告配信ガイドラインを改定
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2019/04/19m/

またアフィリエイトサイトNGの告知とともに、広告品質に関する独自スタンダードも発表しています。

広告品質のダイヤモンド(3つの価値と6つの対策項目)を公開
https://about.yahoo.co.jp/pr/release/2019/05/09m/

4 まとめ

当社はアフィリエイトサイトを運営しているわけではないので、この発表を受けて考えるのは広告主様視点に立ったものです。
アフィリエイトは広告手法の一つであり、これまで集客や売上をここで担っていた部分もありました。
一方でアフィリエイターの管理が難しく、今回のようなPPCアフィリエイトではブランド名、または関連語で質の悪い広告ページを出され、ブランドを損なわれることを嘆く広告主様も多くいらっしゃいました。またこれを管理しようとして、かなりの時間と労力を割いていたというケースも多々あります。

Googleや他の広告メディアが今回のYahoo!の動きに追従するかどうかはわかりませんが、広告やセキュリティに関しては「悪いものが目立つ場合は、一斉に排除」というのが昨今の傾向です。
広告を生業にしている当社も、広告の健全性を意識しながら取組んでいきたいと考えています。