2021年11月10日に、Yahoo!広告のディスプレイ広告において新しい自動入札タイプの提供開始が発表されました。
新しい自動入札タイプからより広告主のニーズに合った自動入札タイプを選択することで、広告効果を最大化することができるようになります。さらに、機械学習が最適化して運用を行うため予算の設定だけにより運用でき、運用工数削減に繋がります。
Yahoo広告の公式ページはこちらからご確認下さい。
Yahoo!広告リリースノート|【ディスプレイ広告(運用型)】新しい自動入札タイプの提供について
新たな3つの自動入札タイプの特徴
3つの自動入札タイプがどのような方針で入札価格の調整を行っていくのかについてご紹介します。
日予算に合わせて、入札価格を最適化
いずれの入札タイプも予算を設定するだけで、最適な入札価格に向けて自動調整してくれるため、運用工数の削減にも効果的です。
また、獲得見込みのある配信の中でもより費用対効果の高い配信を優先的に行ってくれます。
自動入札タイプ | 配信方針 |
コンバージョン数の最大化 | コンバージョン数最大化に向けて、より低い獲得単価が見込めるものに配信。 |
クリック数の最大化 | クリック数最大化に向けて、より低いクリック課金(CPC)が見込めるものに配信。 |
動画再生数の最大化 | 動画再生数最大化に向けて、より低い動画再生課金(CPV)が見込めるものに配信。 |
「コンバージョン数最大化」の注意点
コンバージョン数が一定数蓄積するまでの学習期間は最適化配信とならないため、手動入札でコンバージョンを蓄積させてからのご利用を推奨しています。具体的には、キャンペーンのコンバージョン数が過去7日で50件以上という程度になります。
また、CPAが高騰した場合は「コンバージョン単価の目標値(tCPA)」に変更してCPAを抑える配信を行い、配信状況の確認を推奨しています。
「コンバージョン単価の目標値」と「コンバージョン数の最大化」の最適化の違い
最適化のための学習について、最適化の単位とコンバージョン数の推奨値が異なるため、混同しないよう注意が必要です。
- 「コンバージョン単価の目標値(tCPA)」は、広告グループ単位でCPAを最適化する仕組みで、直近30日間で40件以上のコンバージョン数が最適化に必要な推奨値としている。
- 「コンバージョン数の最大化」は、キャンペーンで予算を制御する仕組みで、直近7日間で50件以上のコンバージョン数が最適化に必要な推奨値としている。
キャンペーン目的と入札戦略の種類
今回追加された自動入札タイプを含めた「キャンペーン目的」と「ご利用可能な入札戦略」は以下のようになっています。
キャンペーン目的 | 最適化ポイント | ご利用可能な入札戦略 |
コンバージョン | コンバージョン数が最大化するように配信を最適化 | ・手動入札 ・コンバージョン数の最大化(自動入札)※追加 ・コンバージョン単価の目標値(自動入札) |
サイト誘導目的 | サイト誘導数(広告クリック数広告掲載面に表示された広告がクリックされた回数) が最大化するように配信を最適化 | ・手動入札 ・クリック数の最大化(自動入札)※追加 |
動画再生 | 動画の再生数が最大化するように配信を最適化 | ・手動入札 ・動画再生数の最大化(自動入札)※追加 |
アプリ訴求 | コンバージョン数が最大化するように配信を最適化 | ・手動入札 ・コンバージョン数の最大化(自動入札)※追加 ・コンバージョン単価の目標値(自動入札) |
商品リスト訴求 | コンバージョン数が最大化するように広告クリエイティブと配信を最適化 動的ディスプレイ広告の商品リストが必須 |
・手動入札 ・コンバージョン数の最大化(自動入札)※追加 ・コンバージョン単価の目標値(自動入札) |
ブランド認知目的 | ビューアブルインプレッションインターネットユーザーの視認領域に広告が表示された際のインプレッション ※2019年8月1日に「ビューインプレッション」から名称を変更 |
・手動入札 |
目的別のキャンペーン作成の詳細はこちらの公式のヘルプをご参照下さい。
β版からの変更点
β版では一部のアカウントに権限が付与されておりましたが、今回のリリースにより全アカウントが対象になります。また、β版の実績は引き継ぐことも可能な上に、β版よりも精度が高い自動入札を実現してくれます。
β版からの精度改善により、β版で制限されていた項目に以下の変更点があります。
- 曜日、時間帯ターゲティングの制限を撤廃。(β版では利用非推奨でした。)
- インプレッションシェア損失率(予算)の制限を削除。(β版ではご利用推奨条件に指定されていました。)
まとめ
Yahoo!ディスプレイ広告で新たに追加された3つの自動入札タイプは、いずれも予算を設定するだけで目的に応じた費用対効果の高い配信を優先的に行い、入札価格を最適化してくれるものでした。「コンバージョン数の最大化」については、事前のコンバージョンの蓄積が必要となり、推奨値は「コンバージョン単価の目標値(tCPA)」と異なる特徴がありました。
各入札戦略の特徴を理解した上で運用効果・効率の向上に活かしてみてはいかがでしょうか。