Twitter広告のターゲティング

twitter広告は非常に多機能で、他の広告媒体と比較しても、より狙いたい層へのターゲティングが可能ですが、特に初めてtwitter広告を利用しようとする場合、その設定方法に戸惑ってしまうことも多いでしょう。twitter広告を有効に利用するためにも、利用できる広告の種類やターゲティングの設定方法を学んでおきましょう。
目次
twitter広告のターゲティングについて
twitter広告では、ターゲティングは大別して「テイラードオーディエンス」「オーディエンスの特性」「オーディエンスの機能」という3つのカテゴリに分類されており、それぞれのカテゴリでターゲティングの内容が違っています。
テイラードオーディエンス
「テイラードオーディエンス」は、すでにつながりを持っているTwitterアカウント(フォロワー)に対し、再度アプローチを行う場合に利用できるターゲティングです。テイラードオーディエンス」はさらに以下の3つの種類に分類できます。
「リスト」は、顧客のメールアドレスやTwitterアカウント(@******)のリストを暗号化(ハッシュ化)し、これをアップロードすることでターゲティングに利用するというものです。
「ウェブ」はTwitterのウェブサイトタグにより、広告主の開設するウェブサイトへアクセスしたユーザーのターゲティングを行うことができるものです。URL(全体でなく一部でも)を指定し、条件に合致するアクセスのみターゲティングの対象とすることも可能です。
「モバイルアプリのユーザー」は、広告主のアプリをインストールしたり登録したりするなど、特定のアクションを行ったユーザーのターゲティングを行います。このターゲティングを利用するためには、モバイル測定パートナーのコンバージョントラッキングを導入することが必要となります。
「リスト」はアップロードに手間がかかり、他に比べてターゲティングの規模が小さくなりがちですので、初めてTwitter広告を利用する場合はウェブサイトにタグを設置、収集したデータに従い、テイラードオーディエンスを利用するのが良いでしょう。
オーディエンスの特性
「オーディエンス」の特性はTwitterユーザーの性別・年齢等のデモグラフィック情報と場所、言語など、ユーザーの特徴に応じたターゲティングどなっています。ターゲティング方法とその特徴は次の通りです。
「地域」はユーザーの現在、もしくは最近の位置情報をもとに、その近隣地域に絞り込んだ広告配信が行えます。「日本国内のみ」「東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県に限定」といった指定ができます。
「年齢」はユーザーの推定年齢に応じ、例えば「21歳~49歳まで」といった形でターゲティングできます。
「性別」は、推定されるユーザーの性別(「男性のみ」「女性のみ」)に応じたターゲティングが可能です。
「端末モデル」は、例として「iPhone8のみ」など、ユーザーが使用している端末の機種を指定して広告配信が可能です。
「携帯電話会社」は、日本を含む世界30か国以上のキャリア会社から「NTT docomoユーザーのみ」等、特定の会社を選択してターゲティングが可能です。
「新端末」は、「1か月以内に端末を新しくした」など、最大過去6か月の期間内か、もしくはそれ以前に新しく端末を購入したTwitterユーザーをターゲティングします。
「プラットフォーム」はパソコン(デスクトップ、ノート)やタブレット(モバイル)、またはiOSやandroidなど、ユーザーがTwitterへのアクセスに利用しているプラットフォームを指定して広告を配信できます。
「OSバージョン」は「Android 7.0 Nougat and above 」等、使用されているOSのバージョンを指定して広告配信します。広告したいアプリや、サービスが対応しているOSのバージョン等を絞り込んでターゲティングできます。
「言語」は、「日本語のみ」など、指定された言語を使用しているユーザーにのみ配信することができます。
「Wi-Fi接続」は、Wi-Fi接続でTwitterを利用しているユーザーをターゲティングします。
オーディエンスの機能
ここまでに上げてきたターゲティングは他の広告媒体でも多く実装されており比較的ベーシックと言えますが、次に解説する「オーディエンスの機能」は、Twitter独自のユニークなターゲティングとなっていると言えるでしょう。
「キーワード・絵文字」:「ワールドカップ」というキーワード等、ユーザーのツイートの内容、Twitter上で行った検索、最近エンゲージメントしたツイート内容やキーワード、絵文字が合致する場合に広告配信します。
「趣味・関心カテゴリ」:「イベント-スポーツ」「スポーツ-サッカー」等、ユーザーのツイート内容からそのユーザーの興味や関心を推測し、ターゲットと選択しているカテゴリが一致しているユーザーに広告配信をおこないます。
「フォロワーと類似ユーザー」:指定した任意のユーザーアカウント(著名人のアカウント等)を指定し、そのフォロワーや類似するユーザーに広告配信を行います。
「テレビ」:選択した特定の映画・テレビ番組に対し反応していると推測されたユーザーをターゲティングします。
「行動」:ユーザーのショッピング履歴・ライフスタイルの傾向をもとに選択しているカテゴリが合致しているユーザーに配信されます。2021年1月現在、選択できるのは英国とアメリカのみとなっています。
「会話」:スポーツや音楽、ゲーム等、会話内容のカテゴリからトピック選択をすることが可能で、そのユーザーが興味を持つと推測される場合に配信されます。
「イベント」:スポーツ・音楽・芸術といったジャンルや地域・全国的を問わず各種イベントに対して興味を持っていると推測されるユーザーに広告配信します。
これらのターゲティングは、通常の検索エンジンによるオーディエンスには見られない「つぶやき(ツイート)」という形態であるが故のキーワードや、「楽しい」「忙しい」など、感情に関わってくるキーワードがターゲティングの対象になるなど、Twitter広告の独自性を表すオーディエンスと言えるでしょう。
フォロー・フォロワーという、Twitterユーザー同士にネットワークの特徴を活用したターゲティング(フォロワーターゲティング)が可能であるという点も、Twitter独自のターゲティングとなっています。そのため、広告主の展開するビジネスに対してどれだけ関心を持つユーザー、あるいはフォローしているアカウントを見つけ出すかが、Twitterのターゲティングにおけるカギとなると言えるでしょう。リアルタイム性もTwitterの特色であり、テレビ・イベント等との相性が良いという点もTwitter広告の大きな利点のひとつです。
ターゲティングの組み合わせ条件
以上、紹介してきたターゲティングは組み合わせることでターゲティングの範囲を広げる、あるいは絞り込むことができますが、ターゲティングの種類によって組み合わせ可能な条件が異なってくる(OR もしくは AND)ため、使用する際には注意することが必要となります。
テイラードオーディエンスは「OR」条件
テイラードオーディエンスで複数のオーディエンスをターゲティングする場合、その組み合わせは「OR」条件(〇〇か××のいずれか)の組み合わせになります。つまり、選択したオーディエンスのいずれかひとつに含まれることが、配信対象になる条件となります。
複数のテイラードオーディエンスに一致するユーザーをターゲティングすることも可能ですが、その場合にはオーディエンスマネージャーから「柔軟なオーディエンス構築」を選択し、「AND」条件(〇〇と××の両方)を選択することで可能になります。「OR」条件も「AND」条件も同一画面上でオーディエンス作成ができてしまうので、AND条件のつもりでOR条件になってしまう等、自身の意図に反するターゲティングにしてしまわないよう、注意しましょう。
「オーディエンスの特性」は「AND」条件
「オーディエンスの特性」は、「年齢21歳~39歳」AND(かつ)「男性」のように、複数選択することでターゲットをより絞り込めるAND条件として機能します。
ただし、Twitterは実名制を取っていないことに注意してください。実名制を取っているFacebookとは違い、Twitterでは年齢・性別などの属性はあくまで推定のものとなります。そのため、条件を必要以上に絞り込んでしまうと、本来ターゲティングしたいユーザーにアプローチできなくなってしまうこともありえます。「オーディエンスの特性」による絞り込みは必要最小限にとどめ、明らかに顧客対象になりえない属性を除外する目的に限定して利用するのが賢明でしょう。
「オーディエンスの機能」は「OR」条件
「オーディエンスの機能」はOR条件のみで利用が可能となっています。ひとつの広告グループに異なるタイプのオーディエンスを含めてしまうと、管理運用や効果の把握が困難になってしまう場合があるため、「オーディエンスの機能」におけるオーディエンスは、1つの広告グループに対して1つに絞るなど、シンプルな設定を行った方がよいでしょう。
「OR」条件のターゲティングと「AND」条件のターゲティング
それぞれのオーディエンスが「OR」もしくは「AND」のどちらに属するか、まとめると以下のようになります。
「OR」ターゲティングとなるオーディエンス:「興味関心」「ユーザー名」「映画・テレビ番組」「行動」「イベント」「キーワード」「会話トピック」
「AND」ターゲティングとなるオーディエンス:「位置情報」「年齢」「性別」「端末モデル」「プラットフォーム」「言語」
Twitter広告のターゲティング設定のポイント
上述してきた通り、Twitter広告のターゲティングはかなり自由度が高く、様々な設定を任意で行うことが可能になっています。このターゲティング設定の機能を有効活用して成果を上げるために、押さえておきたいポイントがあります。
ユーザーの関心事や使用頻度の高いキーワードを日頃からリサーチしておく
Twitter広告の最も特徴的なターゲティングとなるのが「キーワードターゲティング」です。この機能を最大限に活かすためには、まず常日頃からユーザーの関心事や使用頻度の高いキーワードのリサーチを心がけることが重要となります。Twitterのニュースやハッシュタグで話題を把握するだけでなく、Twitterユーザーが他に利用しているSNSやメディアのチェックも重要になってきます。
広告グループをターゲティングで分ける
広告グループをターゲティングごとに分けることも重要です。例として、「オーディエンスの特性」設定において、モバイル(iOSやandroid)端末を使っているユーザーと、Windowsのデスクトップ・ノートパソコンを使用しているユーザーではターゲティング属性が大きく異なります。広告の成果や問題点を正確に把握するために、異なるターゲットごとに広告グループを分けた方が良いでしょう。
ターゲティング情報のテストを行う
実際にどんなオーディエンスが最適であり、どのようなメッセージに反響が集まるのかを確認しようとした場合、最適と言える方法はやはり実際にターゲティングパターンのテストを行ってみることに限ります。試行錯誤を繰り返すことこそが、自社製品やサービスにフィットしたターゲティングを見出すための近道になると言えます。
まとめ
Twitter広告は独自のターゲティングが使えること、2次拡散も狙えることから、拡散次第では極めて費用対効果が大きい、他媒体での広告に対し大きくリーチを広げることのできる広告媒体であることは間違いありません。しかしその分、ターゲティング設定を見誤ると、無駄にコストの垂れ流しをしてしまうことにつながりかねません。Twitter広告を有効活用するためには、ユーザーの日頃の言動やトレンド、話題を把握し、興味や関心事を確認することが重要となります。Twitter広告のターゲティング設定をきちんと理解して、より効果的にユーザーにサービスを届けられるよう、心がけることが肝要です。