Tver広告は、民放公式テレビ配信サービス「TVer(ティーバー)」で配信される広告媒体です。

TVerは、全国の民間放送局が株主となり、運営されている「民間テレビ局がひとつになったテレビの新しいプラットフォーム」を謳っています。

TVerでは、SD(スマートデバイス)・PC・コネクテッドテレビにて、実際に地上波で放送された番組を視聴することができます。

利用の伸びは良く、2023年5月に月間動画再生数が初めて3.5億回(株式会社ビデオリサーチ調べ※)を突破し、ユーザー数においても2,800万MUB(Monthly Unique Browsers:月間ユニークブラウザ数)を突破しています。

Tver広告の配信によって、このようにボリュームのあるユーザーへと商品やサービスの認知を広げることができます。

この記事ではTver広告の特徴やフォーマット、ターゲティングの種類などについて紹介します。

これからTverでの広告配信を検討している方はぜひ参考にしてください。

 

※ TVer単体のVOD・リアルタイム配信・追っかけ再生による動画再生数(株式会社ビデオリサーチ調べ)

参考:[TVer] 2023年5月の動画再生数が前年比1.8倍の3.5億回を達成 月間ユーザー数も過去最高記録を更新 4月期ドラマ、バラエティ番組が好調|TVer広告(https://tver.co.jp/news/20230615-1.html)

 

Tver広告の特徴

Tver広告の特徴は3つ挙げられます。

 

  • 広告の視聴率・視聴完了率の高さ
  • 幅広いユーザー層にバランスよくリーチできる
  • 広告に対する違和感・嫌悪感の低減
  • 独自のターゲティング

 

広告の視聴率・視聴完了率の高さ

TverはCMの視聴率・視聴完了率が高い傾向にあります。TVer広告では広告のスキップ不可であることが要因として挙げられます。

TVer広告の媒体資料によると、有音完視聴率(Audible and Visible on Complete Rate)は84.6%で、動画投稿サイトやSNS媒体での視聴完了率と比較して高い水準を保っています。

「有音完視聴率」とは、音声が再生されている状態で最後まで広告が視聴される、または広告が音声ありで画面に50%以上が表示された場合のインプレッション率を指します。

視聴率だけでなく、視聴完了率が高いという点がTVer広告の強みです。特に、コネクテッドTVでの視聴完了率が高いとの報告があります(2022年7-9月TVer広告実績、株式会社ビデオリサーチ調べ)。

参考:23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2|p.7

参考:TVerの現状~サービスの現状やローカル局との連携~|p.12

幅広いユーザー層にバランスよくリーチできる

TVerの利用ユーザーは、地域ごとの人口分布に近い比率であるとされています。性別・年齢による偏りも少ないのが特徴です。

そのため、幅広いユーザー層にバランスよくリーチすることが可能です。

広告に対する違和感・嫌悪感の低減

TVer広告は、視聴途中に広告が入ることへの違和感や嫌悪感が小さい傾向にあると言われています。

これは、テレビ局が制作した質が高く安全なコンテンツ内に、テレビCMとほぼ同様のタイミングで動画広告を配信するため、ユーザーも広告が入る前提で視聴していることが理由だと思われます。

Tver広告は、権利詳細済みでなおかつ、JIAA(一般社団法人 日本インタラクティブ広告協会)のブランドセーフティー基準を満たした「安心・安全」なコンテンツ内にのみ、広告を配信しています。

また、音声ありで再生される視聴環境のため、メッセージが通常の広告よりも伝わりやすいです。

参考:23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2|p.9

独自のターゲティング

TVer広告では、主に以下の3つのターゲティングが可能です。

  • 属性データ
  • コンテンツデータ
  • TVerアフィニティ

属性データは、ユーザーがアプリをインストールする際などに回答したアンケートデータをもとにしています。

コンテンツデータでは、番組をジャンル別にカテゴライズしたカテゴリーを選択し、ターゲティングとして利用できます。

TVerアフィニティでは17種類の「興味関心」カテゴリーを利用し、興味関心の一致するユーザーに広告を配信します。

その他にも、DMPデータを活用したターゲティングや細かい配信制御が可能です。

参考:23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2|p.10,13-20

Tver広告が掲載される場所

配信面

Tver広告はTverのメディア内に加え、以下の場所でも広告が配信されます。

各放送局の自社サイト(例:FOD)

シンジゲーションサイト(例:GYAO!)

見逃し配信やキャッチアップ配信に加え、2022年10月から、リアルタイム配信や追っかけ再生でも広告配信が可能になりました。

参考:[23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2]|p.39

参考:TVer広告とは|TVer広告(https://biz.tver.co.jp/)

広告枠

Tver広告は、視聴されている番組の再生の直前(プレロール)・番組の間(ミッドロール)・終了直後(ポストロール)にスキップ不可のインストリーム動画広告として配信されます。

番組の構成によっても異なりますが、多くの1時間構成のドラマや30分構成のアニメなどでは下の図のような広告枠の構成になっています。

 

また、コンパニオンAD(コンパニオン広告)と呼ばれる、インストリーム動画広告と同時にバナー広告を掲載できるオプションもあります。

Tver広告のフォーマット

TVer広告は6~60秒のスキップ不可のインストリーム動画広告になります。

これに加え、コンパニオン広告を使用する場合は、動画広告配信と同時にバナー広告の配信もあります。

インストリーム動画広告(通常配信)

Tver広告のインストリーム動画広告の入稿規定(フォーマット)は以下の通りです。

参考:[23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2]|33p

コンパニオン広告

コンパニオン広告とは、動画広告にバナー広告が付属している広告を指します。

コンパニオン広告のフォーマットは4つあり、下記の通りです。

  • コンパニオン広告 PCレクタングル
  • コンパニオン広告 SDバナー
  • コンパニオン広告 アイコン+テキスト+ボタン
  • コンパニオン広告 テキスト+ボタン

コンパニオン広告 PCレクタングル

PCレクタングル

 

 

  •  

参考:ガイドライン(入稿規定)|TVer広告[https://biz.tver.co.jp/guidelines_ad-submission-rules.html]

 

Tver広告で利用できるターゲティング

Tver広告では、Tverで取得する制度の高い情報を組み合わせた様々なターゲティングを活用することができます。

主なターゲティングとして以下の3つが挙げられます。

その他にも、DMPデータを活用したターゲティングや細かい配信制御が可能です。

  • 属性データ
  • コンテンツデータ
  • Tverアフィニティ

属性データ

属性データは、ユーザーがアプリをインストールする際などに回答したアンケートデータをもとにしています。

ユーザーが実登録をしている性別、年齢・郵便番号を広告配信に利用できるため、類推を含まない高精度な属性ターゲティングができます。

コネクテッドTVでも属性データでのターゲティングが可能です。コネクテッドTVでは以下の項目になります。

  • 生年月
  • 性別
  • 郵便番号
  • ひとりでみる
  • みんなでみる

 

コンテンツデータ

コンテンツデータでは、番組をジャンル別にカテゴライズしたカテゴリーを選択し、ターゲティングとして利用します。

放送局のコンテンツをジャンル別に横断した広告配信が可能です。

ジャンルは以下の項目から選択します。

  • ドラマ
  • バラエティ
  • アニメ・ヒーロー
  • 報道・ドキュメンタリー
  • スポーツ
  • その他

また、コンテンツをさらに36種類のサブジャンルに分類したターゲティング配信も可能です。

以下、サブジャンルの一覧になります。

1. 恋愛 7. 青春 13. 時代劇 19. 生活情報 25. キッズ 31. eSports・ゲーム
2. サスペンス 8. コメディ 14. ビジネス 20. グルメ 26. ゴルフ 32. 格闘技
3. ヒューマン 9. スポーツ 15. ファンタジー・SF 21. クイズ 27. 釣り 33. 動物
4. 医療 10. ファミリー 16. 旅行・街ブラ 22. 音楽 28. サッカー 34. 健康
5. 刑事 11. ミステリー 17. トーク・スタジオバラエティ 23. 報道 29. 野球 35. 教養
6. 学園 12. ホラー 18. お笑い・漫才・コント 24. ドキュメンタリー 30. ラグビー 36. VTR・ロケ番組

参考:[23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2]|p.17

Tverアフィニティ

TVerアフィニティでは17種類の「興味関心」カテゴリーを利用し、TVerの1stパーティーデータをもとに、興味関心の一致するユーザーに広告を配信します。

以下、ターゲティングのカテゴリー一覧です。

ビジネス・経済 自動車 テクノロジー・ガジェット ゲーム
ラグジュアリー ショッピング・ファッション ヘルスケア 美容
教育・子育て 旅行 映画 金融・ファイナンス
スポーツ・フィットネス 料理・グルメ ペット アート・芸術・音楽
環境・SDGs ※PC面で一部使用できないセグメントあり

その他、以下のターゲット設定が利用できます。

時間毎予算割合、指定 一日の配信予算を1時間ごとに24分割して配信。時間ごとの配信ボリューム比率の調整、時間帯の指定が可能
フリークエンシー 同一ユーザーの広告接触回数の上限値を設定(放送局を横断しての接触回数)
OS指定 iOS、Androidの指定、バージョン指定
キャリア指定 au、docomo、Softbankなど
天気連動配信 特定の天候や気温のとき、クリエイティブを出し分けて配信
DMPデータ キーワード指定、未既婚、職業、年収、子供の有無、趣味趣向

参考:[23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2]|19p

Tver広告のオークションの仕組み(?)

 

Tver広告の課金方式

Tver広告の課金方式は、CPM課金(固定単価形式)とCPCV課金(オークション形式)の2つに分かれます。

 

CPM課金(固定単価形式)

CPM課金の場合、課金されるタイミングは広告が表示開始された時です。

単価はCPM固定単価であり、インプレッション1,000回ごとに単価が決まる形式になります。

メリットは、固定単価であるため分かりやすいという点と、CPCV形式(オークション)より優先買付けされるという点です。

デメリットとしては、トレンドに応じた単価が反映されないという点と、広告の途中で離脱したユーザーにも課金されるという点があります。

 

CPCV課金(オークション形式)

CPCV(Cost Per Complete View)

CPCV課金の場合、課金されるタイミングは広告が完全視聴されたときです。

オークション形式のため、単価はトレンドなどの要因で変動します。

CPCV課金のメリットは、最後まで動画視聴したユーザーのみ課金されるという点と、

CPCV課金のデメリットは、CPM形式より買付け優先度が下がってしまうという点と、
オークション形式のため、予算未消化のリスクがある点です。

 

参考:[23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2]|35p

 

Tver広告と相性が良い商品・サービス

Tver広告とは基本的にどんな商品・サービスとも相性が良いと考えられます。

Tverユーザーの10人に3人は普段あまりテレビを見ない層です。

Tverで広告を配信するということは、いわゆるマスメディアで宣伝されている新商品・新番組の宣伝も普段テレビを見ない層にあてることができるということです。

逆に言い換えれば、普段からTVを使っているユーザーに、メジャーではない商品や認知の低いネット番組の広告をあてることも可能だと考えられます。

また、コンテンツデータを用いて特定ジャンルを見ている層に向けて、広告を配信できることから、

通常のテレビ広告と違い、確度の高いユーザーを選定できるため、

 

参考:[23年4-6月【TVer広告】セールスシート_Ver.1.2]|38p

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

この記事ではTver広告の特徴やフォーマット、ターゲティングの種類などについて紹介しました。

  • Tver広告の特徴は、「高い視聴完了率で広告認知を実現」「嫌悪感・違和感なく広告が受け入れられる」「コネクテッドTVでのターゲティング」の3つ
  • Tver広告はTverのメディア内、もしくは各放送局の自社サイトやシンジケーションサイトでも、広告配信をすることができる。
  • ターゲティングは主に「属性データ」「コンテンツデータ」「Tverアフィニティ」の3つを設定可能。
  • 広告の課金方式は、CPM課金(固定単価形式)とCPCV課金(オークション形式)の2つ

コネクテッドTVやTverが世間一般に普及するほどに、TVer広告の影響力は強くなっていくことが予想できます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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シラバス編集部
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