リスティング広告には、ターゲティングや配信エリアなどユーザーが直接目にしない裏側の設定と、広告文や表示オプションといったユーザーが直接見る設定があります。
ダイレクトにユーザーが目にするので後者の方が重視されますが、その広告文について「レスポンシブ検索広告」というフォーマットが提供されていますので、それをご紹介します。
ユーザーに直接訴求するものなので影響が大きいのでぜひ今のうちに使い、マスターしておきたい機能です。
1 レスポンシブ検索広告とは
レスポンシブデザインという言葉は皆さんご存知と思います。
これはデバイスのウィンドウ幅に応じて最適なレイアウトに変わるデザインのことですが、レスポンシブ検索広告もこれと同じです。
デバイスのウィンドウ幅に合わせて、検索連動型広告(リスティング)の広告文の組合せや長さが自動で変わり、ユーザーに最適な形で訴求することができます。
加えて機械学習により、そのユーザーに対して最適な組み合わせで広告文を出します。
また検索連動型広告ですから検索ワードとの一致率が高まり、既存のテキスト広告で獲得できていないクリック、コンバージョンの獲得も期待できます。
レスポンシブデザインは主に見え方の違いだけですが(UXを突き詰めると、もちろんそうではないのですが)、レスポンシブ検索広告はGoogleの機械学習に任せていくことで、効果の面でも期待できる魅力的なフォーマットです。
2 実務について
レスポンシブ検索広告の作成方法は、これまでとは大きくは変わりません。
広告文の新規作成で、「レスポンシブ検索広告」を選びます。
既存の広告との違いは、入稿できる広告見出し、説明文の数です。
見出しは最大15個、説明文は4個まで入力できます。
実務的なポイントとしては、同じ訴求内容を複数入力しないことです。
対象となる商品やサービスに対して、異なる訴求内容を設定するのが効果的です。ただし言い回しで訴求の強さが変わったり、ニュアンスが変わるようであればこの限りではありません。
また機能的には特定のフレーズを固定することもできますので、表示をまったくコントロールできないわけではなく、文脈が乱れることを懸念する場合も安心できます。
なおレスポンシブ検索広告さえ設定しておけばOKというわけではなく、2つ以上の拡張テキスト広告を同じ広告グループ内に作成しておくのがGoogleの推奨事項となっています。
3 まとめ
ディスプレイ広告と同じく、検索連動型広告にもデバイスに合わせた表示となる広告フォーマットが誕生しました。
今のうちにマスターしておくのがいいとしている理由は、まずはGoogleの高い機械学習によりユーザーに最適な、キーワードに一致する広告文が掲載されることが第一の理由です。これにより、当然ながら広告の成果が高まるはずです。
もう一つの理由は、この広告フォーマットが検索連動型広告でも標準となる可能性が高いからです。
今はまだベータ版ですし、拡張テキスト広告の同時入稿も推奨されていることから、機能としては十分ではないと推察されます。
しかしディスプレイ広告のフォーマットがすでにレスポンシブ広告へと全面移行中との話も出ていますので、検索連動型広告でもこの流れになるのはほぼ確実です。
もう一つGoogle広告のヘルプにないことをお知らせすると、広告文を考えることで対象の商品、サービスにしっかりと向き合うことができます。
複数の訴求を考えるのは、なかなか大変なことです。多くの広告文を考えることで自社の商品やサービスの魅力が何かを、改めて考える機会にしましょう。