これまでGoogle広告、Yahoo!広告のキャンペーン設定には予算の項目に、「配信方法」として次の設定方法がありました。
Google広告:「標準(推奨)」または「集中化」
Yahoo!広告:「設定あり:1日の中で均等に広告表示」または「設定なし:できるだけ早い時間帯に広告表示」
均等配信、つまり標準ではなかった集中化(Yahoo!広告は「設定なし:できるだけ早い時間帯に広告表示」)が廃止になります。
1 廃止について
まずGoogle広告の集中化ですが、10月1日から完全になくなり、標準(推奨)に置き換わります。その前のタイミングで、新規で集中化に登録することは不可になります。
この記事を書いている時点ではまだ集中化の表示がありますが、もうすぐこれがなくなるというわけです。
対象となるのは「検索キャンペーン」「ショッピング キャンペーン」「共有予算」の三つで、「ディスプレイキャンペーン」「動画キャンペーン」は対象外とのことです。
Yahoo!広告も同様ですが、こちらは2019年9月17日から2019年9月19日が提供終了の期間とアナウンスされています。
この記事を書いている時点ではまだ選択できるようになっていますが、しばらくするとこれがなくなってしまうわけです。
なおこちらはスポンサードサーチ、つまり検索広告が対象です。もともとYDNにはこの機能はありませんでした。
またキャンペーンエディターの「配信方法」は、9月25日に削除予定とのことです。
2 影響は?
この配信方法の変更により、どのような影響があるでしょうか。
結論としては、「ほとんどありません」という答えとなります。
もともとこの設定はオプションで、Google広告だとわざわざアコーディオンメニューを開けなければ表示されないものでした。両方の広告ともに、均等配信の方にデフォルトでチェックが入っていたので、それをわざわざ変えることも少なかったはずです。
けれども機能としてついているので、一体どんなケースに使うのか、使わないといけないのか気になっていた人も多いでしょう。
想定されるのは、次のようなケースです。
○予算が少なすぎるため、配信を集中させないと機会損失してしまう。
○予算が多く、配信を集中させて早いタイミングから予算を消化していかないと間に合わない。
いずれも集中化をすることで、成果が出るとは言い難いケースに思えます。
Google広告は今回の廃止に際して、「(集中化は)予算の有効活用には効果的ではありません」として、予算が少ないケースで集中化させるとCPCが高くなるとしています。また予算が潤沢で消化が心配という場合は、「最適化案タブ」の利用をすすめています。最適化案には、そのアカウントの改善ポイントが提示されます。
3 まとめ
広告配信の集中化が廃止になる主要因は、Google、Yahoo!の両広告ともに自動化が進化したことだと思います。
現在は自動によるクリックやコンバージョンの最適化を、多くのアカウントで利用していることと思います。これにより配信のタイミングも自動で調整されるので、配信のオプション機能を使う必要がないのです。
もともとあまり必要性がなかった機能ですが、自動化が進んだことで完全に廃止に踏み切ることができた、といったところでしょう。
最近のリスティング広告は、自動化に合わせて機能の統廃合を進めています。
これまで手動で変えることができる機能を一応はつけていたものの、もう完全になくしてもいい状態になってきているのです。
現在の広告運用方法は自動化といかに上手に付き合うか、という段階に入っています。そう考えるとAIや機械学習にビジネスでもっとも身近にふれる分野、といえそうです。