LINE広告の初期設定

目次
line広告の基礎知識を知っておこう!
LINEに広告を出すことで、幅広い層へのアプローチを目指すことができるようになります。現在、日本においてもっとも普及しているコミュニケーションアプリということもあって影響力も絶大です。うまく多くの人の心に引っかかるマーケティングを行うことができればたちまち口コミで拡散されて話題になる、といった可能性も秘めています。
とはいえ、それほど簡単に物事が進むわけではありません。オンラインマーケティングの選択肢として注目を集め、多くの企業や店舗が導入しているからこそ、競争の激しさもありますし、他の宣伝との差別化ができるかどうかといった問題も出てきます。確かに、導入当初はサイトへのアクセス数や商品・サービスの紹介ページへの反響が多くなるかも知れませんが、それだけで満足していると効果は次第に先細りになり、期待していたような成果は得られなくなるでしょう。
単にLINE広告を出すだけでなく、うまく設定したうえで運用していく手腕が求められるとも言えます。これは運用していく過程で試行錯誤しながら成果と効率を高めていくことも重要ですが、初期設定の段階でしっかり環境を整えておくことも重要です。やり方ひとつで大きな成果を挙げられる可能性を秘めている分、そのやり方が大事になってくるわけです。
そのためには、そもそもこのline広告がどんなものなのかを知っておくことが大事です。例えばターゲティングです。幅広い層が利用しているからといって、四方八方に宣伝を展開すればよいというわけではなく、自社の商品・サービスに合ったターゲティングが欠かせません。
例えば月間のアクティブユーザーが8000万人を超えていると言われていますが、男女比率はやや女性が多く、しかも若い世代が多いという特徴を持っています。性別・年齢層をうまく絞り込むことで、より効果的なマーケティングを行っていくことができるわけです。
このサービスではターケディングを絞り込んだ上で宣伝を届ける機能も備えているので、積極的に活用するためにも初期段階での設定が欠かせません。
それから、どこへ広告を配信するのかという点があります。当然、タイムラインとトークリストがメインとなりますが、ほかにもLINE NEWSやLINEマンガ、LINEブログなどにも配信が可能です。どの分野に進出するか、どの分野のユーザーをターゲットにするか、狙いを定めておくと宣伝の効果を大幅に高めることができるでしょう。
初期設定のやり方について
では、まず基本中の基本、line広告はどうやってはじめるのでしょうか?第一歩として「LINEビジネスID」の取得が必須になります。とくに難しいことはなく、LINEの公式ポータルサイトからオンラインで申し込むことができます。メールアドレスを入力して登録したうえでIDが発行される形になるので、そのためのメールアドレスを用意しておきましょう。
なおこのIDの取得に関しては、すでに利用しているLINEアカウントで行うこともできます。この場合、手間がかからず楽な面があるのは事実ですが、個人で利用しているアカウントと紐付けられる形になります。ですから、個人事業主や店舗の場合に向いている一方、企業の場合はやはりメールアドレスで登録するべきでしょう。
ビジネスIDを取得すればすぐに始められるのではなく、さらに宣伝を出すために必要な「広告アカウント」の作成・取得が求められます。LINEにログインして、「新しい広告アカウントの作成」というボタンをクリックして登録作業を行っていくことになります。
このアカウントの取得で重要になってくるのは、審査をクリアする必要があることです。公式アカウントやビジネスIDのように、必要な情報を入力すれば誰でも取得できるというわけではありません。適切なビジネスを行っている方ならとくに問題はありませんが、よく見られるのが必要事項を入力する際に入力ミスしてしまう点です。とくに注意が必要なのが、広告の正式名と広告ウェブサイトのurlの遷移先のサービス名が完全に一致していることです。簡単に言えば、宣伝と実際のサービスが異なる場合には認められないというわけです。宣伝と実態が異なる悪質な業者を排除するうえでこれは有効ですが、ちょっとした入力ミスであっという間に審査に落とされてしまうこともあるので、必ず作成の際には入念にチェックしておきましょう。
無事にアカウントを取得することができたら、クレジットカード情報の登録作業に移ります。利用しているクレジットカードを間違えないようにしましょう。なお登録ができるクレジットカードは日本国内で発行されているもののみで、ブランドはVISA、MasterCard、アメリカン・エクスプレス、JCB、ダイナーズクラブです。
ここまでは、基本情報の入力がメインで初歩的なミスをしなければとくに問題はありません。ここから先は、マーケティングのアプローチとも深く関わってくるだけに、予めよく踏まえておきたいところです。
クレジットカードの登録のあと、メディアの登録を行うことになります。つまり作成したメディア(クリエイティブ)を入力するわけです。マネージャー画面の「共有ライブラリ」という欄にある「メディア」から作成したものをアップロードします。
できればその前にメディアの内容がガイドラインに沿った内容かどうかを確認しておきましょう。ここで審査に落ちてしまうケースもありますし、内容がマーケティグの成果に大きく左右するだけでなく、企業イメージにも影響を及ぼすことになるので気をつけましょう。
では、メディア(クリエイティブ)ではどのような面がチェックされるのでしょうか。やり方というよりも作り方といった方が良いかも知れませんが、非常に重要な部分となるので知っておきましょう。
まず、広告を出したのがどこの会社・店舗、誰なのかを明示しておくことです。テキストの場合は名前を表示することになりますが、画像の場合には必ず視認可能な形で明示することが絶対条件です。悪質業者のサイトによく見られるように、目立たないところに目に見えないようなサイズで明示するといったことは認められません。
画像や動画を使用する場合、著作権や肖像権が発生する場合もあります。つまり、自分たちで権利をもっていない素材を使用する際には、必ず権利者の名前を明記することも求められています。
これらは絶対条件ですが、加えて表現上問題がないかどうかもチェックされます。例えば、画面内にボタンや矢印が表示されてあたかもユーザーがクリックで操作できるように見せかけたものは誤操作を促すものとして認められません。
さらに、これは当然かも知れませんが、ユーザーが見て不快に感じるようなものも不可です。ただこの「ユーザーが不快に感じる」基準がやや難しい面もあり、どこまでOKなのか、不可なのかを冷静に判断したうえで作成していくことが大事です。
例えば肌を過剰に露出した写真の場合、ファッション系や観光ビジネス系の場合はOKになりやすい一方、そうした写真を使用する必然性が感じられない商品・サービスの場合は不可になります。またグロステスクな表現はもちろん、過大広告と見なされるものも不可です。「絶対に稼げる投資のノウハウ」などお金儲けに関わる不適切な表現に関してはとくに厳しい傾向が見られます。
そして、もうひとつ注意したいのは特定のコンプレックスを露骨に表現する、あるいは揶揄するような内容です。体型や容姿など、コンプレックスを感じやすい部分を過剰にアピールしているものは認められません。悪意でそうした表現をするのは論外ですが、例えば美容やスポーツ関連で「痩せられる」「美しくなれる」ことを強調するために、審査に引っかかるような表現をしてしまうこともあるので注意したいところです。
このように、広告の内容そのものが初期設定の段階でつまずいてしまうケースも見られます。たくさんの人が利用しているSNSだから、多くの企業・店舗がマーケティングに利用しているからと言って、インパクトを与えるために過激な内容にしてしまうことのないようにしましょう。また、芸能人やアニメ・ゲームのキャラクターなど、広く知られたものを無断で使用するといった安易なアプローチは絶対に避けるようにしましょう。この部分をクリアできれば、初期設定のやり方はほとんどクリアできたといってもよいでしょう。
次はタグの設定です。宣伝が実際にどの程度の成果を挙げているのかを測定するうえで、重要な意味を持ってきます。LINEで使用するタグに関しては3種類が用意されています。
まずベースコードです。誘導する自社サイトのすべてのページに設置したうえで、すべてのアカウント毎に設定が必要になります。それからコンバージョンコードは、コンバージョンを計測したいページに設置することになります。そして3つ目がカスタムイベントコードですが、これは効果を測定したい場所に設置するものです。2つ目と3つ目は、原則としてベースコードとセットで設置する形となります。
そして、次が配信の設定です。「キャンペーンの作成」というボタンをクリックし、どんな目的でキャンペーンをするのかを選択します。もっとも基本となる「Webサイトへのアクセス」のほか、Webサイトのコンバージョンアップを目指す「ウェブサイトコンバージョン」、アプリケーションのインストール数を増やす「アプリのインストール」などの選択肢が用意されています。自分たちの目的に合ったものを選びましょう。
ターゲティングが成否を分ける
ここまで来たら、line広告の成否を分けると言っても過言ではないターゲティングに入ります。ここではターゲットだけでなく配信フォーマット、予算なども設定することになるので、どの範囲をターゲットにしたうえでどんな手段でアプローチしていくのか、そして予算をいくらかけるのか、lineを使ったマーケティングにおける初期設定を決める重要な部分となるでしょう。
ターゲティングに関しては、大きく分けて3つの選択肢が用意されています。まず「LINEデモグラフィックデータ配信」は、ユーザーの性別・年齢・地域・興味関心といったデータをもとにしてターゲットを絞り込んでいきます。これらのデータはLINEに蓄積されている膨大なデータやみなし属性などを土台としています。どの年齢層、どこに住んでいる人たち、性別などを設定していくことになります。やり方そのものは難しくありませんが、とくに興味関心の分野でうまく選択できるかどうかが大事になってくるでしょう。ここでは18種類のカテゴリから選択・指定したうえで、配信先を設定することが可能です。ゲーム・デジタル機器やテレビ番組、ショッピングといった定番からファッション、ビジネス、コスメなどがラインナップされており、年齢層とうまくマッチした選択がとくに大事になってくるでしょう。
それから特定のオーディエンスに対して配信する「オーディエンス配信」です。例えばすでに自社の商品を購入したことがある人、サイトを訪れたことがある人に絞って配信することができます。リーダーを顧客にする、一度利用してくれたユーザーをリピータにしたいときに役立つでしょう。
そして、3つ目はオーディエンス配信の延長線のようなもので、類似したオーディエンスも含めて配信する「類似配信」です。つまり、設定したオーディエンスと「ちょっと趣味や行動がちょっとかぶっている」人たちに配信することができる仕組みです。なお、設定においては「類似度」を1~15%の範囲内で設定することができます。数値が低いほど本来のオーディエンスに近い人となります。
このようにLINE広告の初期設定はそれほど難しくありませんが、内容がガイダンスに沿ったものか、ターゲティングをはじめ項目の選択が適切な形で行われているかどうかが大きな意味を持っています。審査に落ちてしまわないよう気をつけるだけでなく、このサービスを導入した当初からできるだけ成果が見込めるような設定を行っていくように心がけましょう。
なお、これらの初期設定を行ってから審査の結果が出るまで、平均で10営業日程度の時間がかかります。LINEだけでオンラインマーケティングを行うケースは少なく、他のsnsなどさまざまな選択肢を利用して行っている方が多いはずです。そうなると全体の進捗状況を踏まえた上で予定通りに進めていくことも大事なテーマとなりますから、予定通りにLINEでマーケティングをはじめたい場合には、時間的な余裕をしっかり確保したうえで計画的に準備しておくことも意識しておきたいところです。