※LINEのクロスターゲティングは、2023年春に機能の提供が終了となりました。
LINE公式アカウント運用で蓄積したデータをLINE広告のターゲティングに活用できる、「クロスターゲティング」の手法を解説します。
クロスターゲティングを使えば、「LINE公式アカウントのメッセージを未開封のユーザー」に対してLINE広告経由でアプローチしたり、「LINE公式アカウントでメッセージを開封したユーザー」の類似オーディエンスに広告配信することが可能です。
また、LINE公式アカウントでLINE広告のオーディエンスを利用することも可能です。「LINE広告の動画広告を視聴したユーザー」に対して特別なメッセージを送信するといった利用が考えられます。
ブラウザでのCookie利用制限が強化される中で、接点を持ったユーザーの行動データを活用した広告配信技術はより進化していくでしょう。
今回はその先駆けであるLINE広告の「クロスターゲティング」について見ていきます。
LINE広告クロスターゲティングの概要
クロスターゲティングとは、「LINE公式アカウント」・「LINE広告」・「LINEで応募」から取得したデータやオーディエンスをプロダクトを横断して配信することが出来る機能です。
クロスターゲティングは利用にあたり、通常の広告費用の他に別途利用料が発生することがありません。LINE広告アカウント、LINE広告アカウントを持っていれば誰でも利用可能です。
クロスターゲティングを利用するにはLINE公式アカウントを開設する必要があります。
クロスターゲティングでできること
そこで、クロスターゲティングではどのようなことが可能になっているのでしょうか。
クロスターゲティングでは、大きく分けてこちら2つの機能があります。
①LINE広告での配信
Talk Head View、LINEポイントAD、LINE公式アカウントからのデータを用いてLINE広告で配信することが出来ます。
②LINE公式アカウントでの配信
LINE広告、LINEポイントADからのデータを用いてLINE公式アカウントのメッセージ配信に活用することが出来ます。
クロスターゲティングの強み
クロスターゲティングの強みは「LINEの他プロダクトのデータを活用してより効果的なターゲティングを可能にすること」です。
最近では、WebブラウザのサードパーティCookieが利用制限される潮流にあり、直接顧客と関わりを持ってデータを蓄積し、そのデータを用いてターゲティングを行うことができるクロスターゲティングは、他の広告媒体と比較し大きな強みです。
さらに、LINEでは月間アクティブユーザーが8,900万人を超えており、日本の総人口のおよそ71%をカバーしています。LINE公式アカウントを適切に運用し多くの友だちを獲得できれば、それだけ多様で効果的なオーディエンス作成につながります。
クロスターゲティングを利用すれば、
- LINE広告の友だち追加広告(CPF広告)でLINE公式アカウントの友だちを増やす
- その友だちにメッセージを送信する
- メッセージの反応の良いユーザーの類似オーディエンスを作成する
- そのオーディエンスに友だち追加広告を配信し友だちを増やす・・・
というLINE公式アカウントの友だちを増やすサイクルも実現可能です。
クロスターゲティングで扱えるデータ一覧
クロスターゲティングで可能な
①LINE広告での配信
②LINE公式アカウントでの配信
それぞれでどのようなデータを活用できるのでしょうか。それぞれ確認していきます。
2021年10月時点になっており、今後一部変更される可能性があります。
①LINE広告での配信
LINE広告でクロスターゲティング配信する際に扱えるデータの一覧です。
Talk Head View→LINE広告
データタイプ | 内容 |
Video Start | Talk Head Viewのバナーをclickした動画再生開始データ |
Video Completions | 動画の視聴完了データ |
Click | Talk Head Viewの、詳細はこちらをクリックしたデータ |
LINEポイントAD→LINE広告
データタイプ | 内容 |
Point CV | LINEポイントADを実施した際のコンバージョンユーザー |
Point Click | LINEポイントADを実施した際のクリックユーザー |
Point trantision | LINEポイントADを実施した際のLP遷移ユーザー |
LINE公式アカウント→LINE広告
データタイプ | 内容 |
インプレッション | メッセージを開封したユーザー |
クリック | メッセージのリンクをクリックしたユーザー |
ユーザーID アップロード | アップロードしたユーザーID |
モバイル広告ID | アップロードしたモバイル広告IDリスト |
チャットタグ | チャットに付けたタグを対象リスト |
追加経路 | 友達の追加経路別のリスト |
ウェブトラフィック | LINE Tagのトラッキング情報を基にしたリスト |
②LINE公式アカウントでの配信
LINE公式アカウントでクロスターゲティング配信する際に扱えるデータの一覧です。
LINE広告→LINE公式アカウント
データタイプ | 内容 |
ウェブトラフィック | LINE Tagを設置した任意のサイトに訪問したユーザー |
モバイルアプリ | アプリ内で発生したイベントを元にしたユーザー |
動画視聴 | LINE広告の配信で使用した動画素材の視聴ユーザー |
LINEポイントAD→LINE公式アカウント
データタイプ | 内容 |
Point CV | LINEポイントADを実施した際のコンバージョンユーザー |
Point Click | LINEポイントADを実施した際のクリックユーザー |
Point trantision | LINEポイントADを実施した際のLP遷移ユーザー |
クロスターゲティングの設定方法
クロスターゲティングを利用するにあたって、特別な申請は必要はありません。同じLINE Business ID下であれば、2STEPでそれぞれのプロダクトのデータが連携されます。
①LINE公式アカウントのオーディエンス公開設定と②共有したいオーディエンス作成の2STEPです。
①LINE公式アカウントの管理画面から
[ホーム]→[メッセージ配信]→[オーディエンス]→[公開設定を変更]
の手順で設定します。
②その後、
[メッセージ配信]→[オーディエンス]
の手順から、LINE広告に共有したいオーディエンスを作成することが出来ます。LINE広告には自動でオーディエンスが共有されます。
クロスターゲティングは2023年春で機能提供終了
クロスターゲティングは、2023年春をもって、機能提供が終了となりました。
Yahoo!社とLINE社が統合するという背景もあり、より広範なデータを利用できる「ビジネスマネージャー」経由で、引き続きLINE広告とLINE公式アカウントのデータ連携が可能です。
「ビジネスマネージャー」については、以下の記事でご確認ください。
まとめ
クロスターゲティングは、LINEの各プロダクト間でユーザーデータを共有し、オーディエンスを作成して広告配信を行う手法です。LINE公式アカウントで入手した「生の声」「生の反応」をもとにターゲティングできる点が魅力です。
これまでクロスターゲティングを活用したことのない方は、LINE公式アカウントの運用とともに、始めてみてはいかがでしょうか?