Instagram広告のターゲティング

さまざまなWeb媒体で宣伝活動を行うことで、自社webサイトへの集客率を高めることができます。しかし、やみくもに広告を出しても自社が定めるペルソナに合致する集客ができない現状があります。ここでおすすめしたいのが『ターゲティング』です。この記事では、その概念や手法、多くのユーザーがいるInstagramへの出向のメリットなどをまとめています。
目次
Instagramとは
インスタグラム(通称インスタ)は、画像投稿型のSNSです。一部の機能はパソコンからも利用できますが、スマートフォン専用のアプリです。スマホで撮影した画像をリアルタイムに世界のユーザーに向けて拡散できるため、交流目的や自分の作品を発表する場など、さまざまな用途で使われています。日本でもスマホが主流になったことと、『SNS映え』を意識して画像を撮影する人が増えているため、ユーザー数も年々増えています。
インスタの場合、1投稿につき画像は10枚、キャプションと呼ばれる文字もほぼ字数制限なく添えることができます。また、ハッシュタグをつけることで同じ趣味嗜好を持つ人と交流できる可能性を限りなく広げられるメリットもあります。
インスタにも広告を投稿できる機能が備わっています。インスタのビジネスアカウントを取得し、同じ会社が運営するSNSサービスのFacebookとページを連携させることで、プロモーションADを出稿できるようになります。
ターゲティングとは
はじめに『ターゲティング』という言葉について理解を深めていきましょう。『target(標的・目的)』という言葉から生まれており、自社のサービスや商品に興味がある可能性を持ったユーザーを絞り込む行為とされています。
テレビCMを例にとると、時間帯やオンエア中の番組の視聴者層を意識した配信がなされています。朝の情報番組の時間帯に生活用品のCMが多いのは、主婦がメインの視聴者層だからです。子供向けのアニメ番組では、お菓子やおもちゃのCMが中心に流れています。これも視聴者層を意識した配信であると認識できるでしょう。
Instagramでは、時間帯による視聴者層の絞り込みはできません。また、ユーザーは世界各国に及びます。やみくもに配信しても売り上げにつながることはなく、宣伝費用だけが失われていくことになるでしょう。
ここでターゲティングによってユーザー属性の絞り込みを行うと、見込みのある人にピンポイントに情報(AD)を届けられるため、購入につながりやすくなります。また、宣伝費などの経費を削減できるメリットがあります。
この考え方は、web上におけるプロモーションの世界ではもはや定石となりました。GAFA(Google,Amazon,Facebook,Appleの4社)を主軸としたインターネットポータルの情報収集の精度も向上しています。アドセンス配信のタグを組めば、ユーザーの属性にマッチングしたプロモーションが常にネット上に配信されるようになります。
インスタでプロモーションを行う意味
なぜInstagramへのプロモーション配信がよいのか、その意義を問うこともあるでしょう。
集客や購入率を高めるという目的では、アフィリエイターによるプロモーションや、インターネット上に配信される広告の方が、周知率が高まるかもしれないという期待もあるでしょう。
なぜインスタに参入することがよいのか、その理由を見ていきましょう。
Facebook社の傘下にあるSNSだから
Instagramは、Facebook社が運営しているSNSです。双方のアカウントがあれば、それぞれを連携できます。Facebookとインスタの利用者データは共有されるとともに、同じターゲットADの仕組みを持っているのが強みとなります。
Facebookはもともと人脈作りのためのSNSとして位置づけられてきました。実名での登録はもちろんのこと、勤務先といった属性も詳らかにされています。友人とのつながりや、趣味嗜好で作られたグループ加入などの情報も詳しく分析できる状況にあるといえるでしょう。
一方、インスタは匿名登録が可能です。しかしFacebookアカウントを持っていれば、インスタと自動リンクできる仕組みが備わっています。この仕組みとともに、同じターゲットADをインスタにも採用しているという二つの理由を組み合わせると、詳細なターゲティングができると結論づけることができるでしょう。
動きがあるプロモーションができる
インスタの場合、時間が限られていますが動画でのADを配信することも可能です。簡単なGIFや30秒程度の動画に音楽をつけて配信すれば、個性的なプロモーションができるでしょう。また、配信の種類によっては1投稿につき10枚までの動画や静止画をセットすることができます。ネット上のADと比べ、自社の製品やサービスを周知できる可能性が高まります。
ネット上のADとは異なり、大きな画像を利用したインパクト重視の配信はできませんが、イラストや画像、音楽などを駆使し、オリジナリティが高いプロモーションができると集客率が高まるでしょう。
SNSという特性を生かせる
インスタへの広告配信は、事実上Facebookの企業アカウントを取得していれば利用可能です。しかし、さらにマーケティングを深めたいという場合は、インスタの企業アカウントを取得し、自社独自の配信をしていくことも可能です。
ハッシュタグをつけてアカウント内で宣伝をすると、相乗効果で商品やサービスに関して理解を深めてもらいやすくなります。また、インスタでは投稿内容をFacebookやツイッター、アメーバブログなどに連携投稿できる機能があります。こういった機能を利用すれば、負担をかけることなく自社のサービスの周知が可能になるでしょう。特に、ツイッターはリツイートによる拡散が可能ですし、アメーバはオウンドメディアのポータルも持っています。それぞれの強みを生かせば、幅広いプロモーションの選択肢が生まれるでしょう。
企業イメージを表現しやすい
インスタでは、静止画や動画で視覚的に商品やサービスの魅力を伝えることができます。イラストで表現することもよいですし、イメージモデルを起用しビジュアルで訴えるといった多様な工夫ができることでしょう。先にも示しましたが、10枚までの画像を添付することが可能です。企業イメージを凝縮して伝えられる魅力があります。
企業側が抽出したターゲット情報と合わせて、よりペルソナ(ここでは特定のインスタユーザー)に訴求し、共感してもらえるADを配信できるでしょう。
自然な集客が期待できる
インスタでのAD配信は、タイムラインともいえるユーザーのフィード上に配信されます。ほかのユーザーが投稿した画像と同列に配信されるので、ユーザー側からすれば自然な形でADを目にすることができます。ターゲット選択が成功すれば、ユーザーの目に留まりやすくなり、自然な形でボタンクリックからの集客や購入へ結び付けられる可能性が生まれます。
費用は安価
インスタ広告の配信費用は1ドルから設定可能です。(日本円のレートに準ずる)また、Googleなどのプラットフォーム配信と比べてもCPM(Cost Per Mille:ADが1000回表示されるごとに費用が何円かかるか)の値は安価ですし、CPA(Cost Per Acquisition:1件の成約を得るために費用が何円かかるか)の値も少ない特徴があります。費用対効果を踏まえた宣伝を意識するならば、効率よい方法だといえるでしょう。
インスタの広告ターゲティングの種類
インスタを使ってADを配信したい場合、3つのオーディエンスを意識した設定をする必要があります。この種類を覚えておくことで、より細やかなで制度の高いターゲティングができるようになります。
コアオーディエンス
一番大きな基本的情報から見た絞り込みを指しています。2つの分類が存在しており、ふるい分けの基本としてみていくとよいでしょう。Facebookに登録されたユーザー情報をもとに設定されるため、細やかな絞り込みがかないます。
ひとつめは、ユーザー属性が挙げられます。男女別、もしくは成人か否かというように大まかに絞り込みましょう。また、年齢層や国籍なども絞り込めるでしょう。しかし、Facebookに登録せずインスタのみアカウントを持っている人も見られるため、より正確な情報というよりは「年齢は20代~40代」というように予測した情報をもとに絞り込みが行われます。
ふたつ目は、興味関心に基づく属性です。インスタ内でフォローする対象や「いいね!」のマーキングの内容などを踏まえた情報絞り込みになります。投稿した内容に関連するハッシュタグの内容や、検索対象のキーワードなども絞り込みの要素につながります。
この要素を大分類として、さらに絞り込みを重ねていくとよいでしょう。
カスタムオーディエンス
コアオーディエンスによる絞り込みができたら、次はさらに絞り込みをかけていくことができます。購入に至らなかった層に向けたテコ入れや、過去の配信に反応もしくは成約に至った層に向けてAD配信をするという囲い込みなどを検討していきましょう。
配信層をカスタマイズすることで、ユーザーの反応度合いが高まる可能性があります。AD配信後、コンバージョン率などを解析していくことで、配信の精度も高まります。
インスタのビジネスアカウントでは、AD配信によるユーザーデータを分析できる機能があるので、設定を見直してより良い配信ができるよう工夫が可能です。
類似オーディエンス
類似オーディエンスとは、AD配信による運用を行った結果、成果が発生したアカウントに近いユーザーに限定して配信するための絞り込みです。成果を発生させたユーザーと興味関心などの属性が近いユーザーに向けてピンポイント配信できるので、さらなる成約につなげられるメリットがあります。
近似値に関しては1%~10%の範囲で設定可能です。パーセンテージが高くなるほど、絞り込みの範囲が広くなります。類似オーディエンスで成約につなげるためには、1%といったピンポイントの絞り込みから始めることをおすすめします。
企業がターゲットを絞る内容
Instagramのターゲティングにおいて、コアオーディエンスを抽出したい場合、下記の内容が設定可能です。詳細に設定できるため、企業が設定する商品やサービスのペルソナに合致するユーザーに直接届けやすくなるメリットがあります。
- 性別:「すべて」「男性」「女性」から選択
- 地域:国・都道府県のほか、郵便番号や市区町村といった指定も可能
- 年齢:13歳~+65歳まで、1歳刻みで指定可能
- 言語:日本語や英語など母語としている言葉を指定
- ユーザー属性:Facebook 上に登録されたユーザー属性から指定する
- 趣味嗜好:ユーザーのアクティビティや「いいね!」から、特定のユーザー抽出する
- 行動:ユーザーの購入行動やその目的のほか、電子機器のアクセス状況からターゲットを指定する
- つながり:絞り込みターゲット属性のうち、特定のページやアプリのほかイベントなどコネクトしている人だけを抽出する
プロモーション活動で注意したいこと
細やかな設定による絞り込み配信ができるInstagram広告ですが、プロモーション活動で注意したいことがあります。
対象を絞り込み過ぎない
企業が設定したペルソナに近いユーザーほど成果につながる可能性が高まります。しかし、配信枠は決められているため、対象を絞り込みすぎるとAD配信を希望する競合他社との競売で価格競争が起きてしまいます。その結果、単価が高くなってしまうため費用対効果の面では失敗になってしまうでしょう。
また、インスタでは自動最適化機能を備えています。類似オーディエンス機能などとも連動し、更新された行動データをもとに最適化を行い、タイムリーな配信ができるよう工夫されています。絞り込みが詳細に至ってしまうと、自動最適化機能を活用した配信がされにくくなってしまいます。
効果的に配信するために
ADを作成し、インスタで運用を始める場合は、複数の広告オーディエンス設定を準備しておくとよいでしょう。ニキビ治療薬のADの場合、例えば中高生のニキビ世代にアプローチするための設定と、その親世代にアプローチする方法が考えられます。ターゲットを変更することで得られる結果もありますので、状況に応じて手段を変えていくことも一案です。
まとめ
Instagram広告のターゲティングについてまとめました。概念や手法に関して、はじめて出稿を検討している企業に向けて情報を提供しています。インスタは、自社の製品やサービスをタイムリーに宣伝できる媒体なので、そのメリットを上手に活用して成果につなげていきましょう。