Instagram広告の進捗管理

松葉駿平

進捗管理に欠かせないレポート

Instagramに限った話ではありませんが、代理店を通して広告を出すのであれば進捗管理を重視する必要があります。社内のみで完結できるプロジェクトの進捗管理と、代理店に依頼する場合のそれは意味合いが少し異なりますが、非常に重要なのは変わりません。

目標を達成することをゴールとすると、ゴールに向かって迷わず一直線に進むケースはそう多くはありません。大抵の場合は横道にそれたり、立ち止まってしまうなどの問題が発生するため、プロジェクトのどこに問題が起こっているのかを把握する必要があります。問題点を把握し、軌道修正するための手段として進捗管理の工程があり、広告を出す上でも軽視してはいけないポイントです。

リスティング広告の出稿を代理店に任せる場合、代理店がレポートを作成するのが一般的です。管理画面の共有は、出稿のノウハウを知られてしまう恐れがあるため嫌がる代理店も多く、代わりにレポートを作成することでクライアントに現状を報告します。それに対して、Instagram広告を代理店に任せる場合は少し事情が異なっており、代理店はFacebookのビジネスマネージャをクライアントのInstagramアカウントと連携させることで、クライアント側のIDやパスワードがなくても編集ができるわけです。Facebook、Instagramではビジネスマネージャというシステムが用意されているものの、それでもレポートは進捗管理を分かりやすくするためには必要です。

レポートはクライアントに対しての報告という側面と、代理店の社内に対しての周知の側面があります。誰もがSNSへの出稿に対して深い知識を持っているとは限らないため、分かりやすく現状をまとめたレポートを作成することは欠かせません。ただ、レポート作成は本来は非常に手間がかかる作業であり、数字だけでも多数の項目が存在している上、そこから改善点などを導かなくてはいけません。それらを分かりやすくレポートの形にするのは大変ですが、広告の運用ツールを使えば簡単に対応できます。管理ツールと呼ばれることもありますが、特定のインターネット広告に対応しているツール、複数の広告に対応しているツールなど種類は様々です。

多くの運用ツールにはレポート作成を助ける機能が実装されているため、いちいち手動で数字を整理整頓する必要がありません。数字に関しては自動的に反映される上に、プロジェクトの進捗や予算の管理などを簡単にレポートとしてまとめられます。手動だと単純ミスのリスクがありますし、プロジェクトの改善点などには担当者のバイアスがかかる恐れもありますが、ツールに任せればより精度の高い情報をクライアントと社内の関係者に回すことが可能です。また、ツールを使うメリットはレポート作成だけではなく、他の負担を大きく減らせる点も見逃せません。代理店は様々なクライアントの案件を請け負っているため、手動でアカウントの切り替えを行っていると負担が増え、単純ミスが発生するリスクも高まります。運用ツールを使うことで担当者の負担は大きく減るため、業務の効率化を進められるのです。Instagram広告のみを代理店に依頼する場合も、他のメディアへの出稿を含めて代理店に依頼する場合も、運用ツールの力は欠かせません。

Instagram広告に欠かせない各種ツールについて

具体的な運用ツールについてですが、先に書いたFacebookのビジネスマネージャも運用ツールの一種です。Facebook、そしてInstagramの投稿を管理するためのシステムであり、広告レポートというレポート作成機能も備わっています。また、代理店との連携がしやすくなるのも大きな魅力であり、アクセス権についての細かい設定もできるためプロジェクト全体のコントロールが容易です。一応、ビジネスマネージャなしでも出稿することはできますが、その場合は個別に広告アカウントへのログインの手間が発生するため、作業の手間が増えます。ビジネスマネージャには支払い情報の登録もできるため、使わない場合と比べると進捗管理以外の部分でも作業効率に格段の差が出ると考えてください。

notari株式会社が手掛けているAistaはInstagramの管理、分析に特化しているツールで、進捗管理に向いている特徴が色々とあります。Aistaはアカウントの現状を分析する機能が特に優れており、フォロワー数やエンゲージメント率などの分析に必要な数字をグラフの形で分かりやすく提供してくれるのが魅力です。この分析機能も十分に魅力的ではあるものの、Aistaの市場データでは日本でよく知られている他のアカウントについても分析できます。単純に有名アカウントの真似をすれば結果が出るわけではありませんが、他のアカウントが何故成功しているのかを分析することは成功のためには欠かせません。Aistaを利用することで有名人、企業などのアカウントについてくわしく分析できるため、より多くのユーザーに投稿を届ける上で役立ってくれます。分析できるのは日本の有名アカウントですが、Aistaは国内に特化した存在とも言い換えられ、分析にも信頼が置けるでしょう。特に、他のアカウントがどのようなハッシュタグを利用しているかはチェックして損はありません。ハッシュタグ1つで投稿の注目度は大きく異なってきますので、ハッシュタグの情報は押さえておきたいポイントです。市場データはフォロワー数、エンゲージメント率、アクティブ率、いいね数など様々な項目をランキング形式で確認できるため、様々な情報がありつつも非常に見やすいのもメリットです。

他のアカウントの中でも心情的に気になるのは同業他社ですが、Aistaに登録されていれば同業他社のアカウントについても分析できます。また、仮に同業他社のアカウントが登録されていなかったとしても、市場データへのアカウント追加申請ができるため、今後の登録に期待が持てる点も見逃せません。インフルエンサーほどの影響力がない個人アカウントについては市場データへの追加は難しいものの、様々なアカウントを分析していけるのが大きな特長です。

現状、Aistaは通常版とプレミアム版の2つが用意されていて、通常版の月額費用は1,000円、プレミアム版の月額費用は30万円です。費用を見ると圧倒的にプレミアム版の方が高機能のように感じられるかもしれませんが、紹介したアカウント分析を目的とするなら通常版でも問題はありません。ただ、プレミアム版であれば通常版の機能に加えてタグ分析などのさらなる機能も備えられています。一応、通常版のトライアル期間中に支払いをしなくても無料で使えますが、その場合は他のアカウントの分析機能は使えませんので注意が必要です。

ICONSQUAREはFacebookとInstagramに特化している人気のツールであり、フォロワー数などのアカウントにまつわる数字を分かりやすく集計してくれます。Aistaと似ているツールではあるものの、ICONSQUAREは英語で提供されていて世界的な知名度がある点が大きな違いです。ツール内で使われている言語は英語で、問い合わせも英語でないといけない点など、ハードルはやや高めです。フリートライアル期間はあるものの有料のツールであり、3つのプランによって月額費用は異なります。現在はコロナウイルスの流行が止まらない状況のため、業績をインバウンド需要に頼っていた企業は苦戦していますが、日本に興味を持っている外国人に向けたプロモーションは珍しいものではありません。ワクチン接種の普及などで、コロナウイルスが落ち着かない限り外国人向けのプロモーションはしにくい状態にあるものの、それでも世界的に流行が落ち着いてくれば海外向けのマーケティングも盛り返してくるでしょう。

海外向けのマーケティングでSNSを活用する場合、当然ながらノウハウは日本人向けのものと大きく異なってきます。ICONSQUAREは現時点で日本版が用意されておらず、使用のハードルが高いものの、海外向けのプロモーションを手がけるのであれば押さえておきたいツールです。コメント数やハッシュタグごとの盛り上がりなどをくわしく分析できるため、レポート作成に向いているのはもちろんのこと、フォロワーの分析や投稿の時間帯についての適切なアドバイスなどの機能もあります。SNSでは常に新たな投稿が生まれ続けているため、注目を集めるためにはタイミングも重要です。ICONSQUAREはフォロワーに響く時間帯を割り出してくれるため、フォロワーの反応を増やす上で一層の効果が期待できます。競合相手のアカウントを分析する機能も備えられているため、差別化の上で役立ってくれるのも魅力的なポイントです。現時点ではICONSQUAREに自動投稿の機能は備えられていないものの、投稿予定の日時を設定することで通知をしてくれるので、連続で投稿を行う際にも役立ってくれます。心強い存在ではあるものの、世界規模での分析を行うという都合上、国内向けに最適化されてはいません。日本人向けのプロモーションに限ればAistaの方が役立つ場面も多いので、状況によって使い分けることが重要です。

Union MetricsはICONSQUAREと同じく英語で提供されているツールで、Instagram以外にTwitter、Tumblr、FacebookといったSNSにも対応しており、汎用性が魅力です。基本的な使い方、機能はICONSQUAREと似ており、フォロワー数を始めとしたアカウントの現在の状況をくわしく知れます。各種結果を関係者で共有しやすいよう作られているため、言語面でのハードルの高さはあるものの扱いやすいツールです。Union Metricsに無料プランはないものの、競合相手の分析に加えてリアルタイムデータ分析に対応しており独自性もあります。ICONSQUAREと同様に、日本人向けのプロモーションでは必ずしも最適とは限りませんが、世界に向けて発信をする場合には押さえておきたいツールです。

かつて無料で利用できたInstagramの分析ツール、PONYは2018年8月に使えなくなりましたが、現在は後継のツールであるMASAIが提供されています。MASAIはフォロワー数、エンゲージメント率などのレポート作成に欠かせない情報を知れるだけでなく、分析したデータをパワーポイント形式などの形でダウンロードできる点も見逃せません。パソコンやスマートフォンのブラウザから利用できる扱いやすいさに加えて、アカウントを偏差値形式で診断してくれるなどのユニークな機能を備えています。影響力、成長力、拡散力など独自の6項目による診断により、現在のアカウントの強みと弱みを知れるのが魅力です。さらに、独自の画像診断も備えており、プロモーションに最適なトーン&マナーのアドバイスもしてくれます。スターター、ベーシック、プロの3つの基本プランと、その上のエンタープライズプランが用意されており、PONY時代とは違って有料です。

紹介したツールを使うことでレポートを作成し、社内やクライアントに向けて現状を発信しますが、レポートを作成して終わりにならないよう意識したいところです。レポートを作成するのは目的ではなく目標達成のための手段ですので、レポートを元に今後のプロジェクトを動かしていかないといけません。もちろん、レポートの数字を見れば必ずしも問題点が浮き彫りになるわけではありませんが、まずはレポートを元に分析を進めるのが基本です。そして、残念ながらレポートがあまり役立たない状況も存在しており、代理店に依頼して初の投稿から間もない状況は、データの蓄積もさほど期待できず判断が難しい場面です。一方で、ある程度の時間が経過している場合は前月比、前年度の同月と比較した上で軌道修正を図ります。代理店による施策、その結果などをレポートと照らし合わせ、プロジェクトを見直すとよいでしょう。いずれのケースでも、クライアントと代理店がしっかりと話し合った上で方向性を決めていくことが重要です。情報にまとまりがなければ迷走を引き起こしかねないため、話し合いを有意義なものにするためにもツールは欠かせません。(2021年現在)

事業会社でSaaSのWebマーケティングに1年間携わったのち、デジマールに入社。TableauとIllustrator勉強中。趣味は料理。

松葉駿平

事業会社でSaaSのWebマーケティングに1年間携わったのち、デジマールに入社。TableauとIllustrator勉強中。趣味は料理。

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