Instagram広告の初期設定

松葉駿平

写真共有のSNSと聞けば、Instagramを思い浮かべる方が多いと思います。今や日本のインスタグラムユーザーは3300万人を超えており、まだまだ増加傾向にあります。そのため、多くの企業がSNS、とりわけインスタグラムを利用して自社を宣伝しようと試みています。特に若い女性が多く利用するインスタグラムは、上手に利用することで効果的な宣伝を行うことができます。インスタグラムの特性を上手に利用すれば、ターゲットを絞って企業の魅力を伝えることや商品やサービスを簡単に提供することができるでしょう。では、Instagram広告はどのように始めることができるでしょうか。やり方や手順はどのようなものでしょうか。

Instagram広告の種類

インスタグラムにはいくつかの配信方法が設定されています。それぞれに特徴があるため、自社が売り込みたい商品やサービスがどのようなものなのか、どのように売り込みたいのかといった戦略によって、どの配信方法を使うかが変わってきます。配信方法は大きく3つに分けることができます。

ストーリーズ

インスタグラムを開いた時のトップページに出てくる画面に宣伝を掲載する方法がストーリーズです。インスタグラムのユーザーがフォローしているアカウントの投稿をトップページでは見ることができますが、そのようなアカウントで3回ストーリーを再生すると広告が表示されるように設定されているのがストーリーズです。ストーリーズは画面全面表示のため、掲載した画像や動画を効果的に見せるには良い方法であると言えます。特にストーリーズをよく利用するユーザーにリーチすることで、さらに効率を上げることができます。ストーリーズをよく利用するユーザーとは、リアルタイムや最新の情報を求めているようなユーザーなどです。そのようなユーザーの多くが、自分の興味のあるブランドなどのイベント情報、好きな芸能人の近況をリアルタイムで求めています。そのため、企業側もリアルタイムで配信したいと思っている情報や宣伝などをストーリーズで配信することによって、より効果的に伝えることができます。

フィード

フィードとは、インスタグラムのユーザーが自分のフォローしているアカウントの投稿を見た時に、画像の下の方に表示される広告のことです。投稿画面を下へスクロールしていくと表示されます。この配信方法の特徴は、ユーザーが見ているアカウントと同じようなデザインで投稿できるということです。ユーザーが時を選ばずに得ることのできる情報を載せることで、効果的に商品やサービスを宣伝することができます。

発見タブ

発見タブは、ユーザーが自ら検索をしていく場所に広告を載せる方法です。そのため、ユーザーのニーズに合った宣伝を掲載することで効果を上げることができます。また、発見タブにはユーザーによって表示内容を変更させる機能が付随しています。一人一人の関心や興味に基づいて宣伝内容や文句を変更することで、より効果的かつ効率的に自社の商品やサービスを売り込むことができます。

これらの配信方法をまとめると、ストーリーズでは「リアルタイムでの情報配信」が特徴となっているため、期間限定のイベントや商品の宣伝に向いています。フィードでは「時を選ばないで商品やサービスの宣伝をする」ことが特徴となっているため、通常よく使う商品やサービスの宣伝や自社が主力とする商品を掲載することで効果を期待できます。そして、発見タブには「ユーザー自身が興味を持つ商品やサービスを紹介する」特徴があります。そのため、特定のユーザーが興味や関心を持つことに的を絞った宣伝によって、良い成果を得ることが期待できます。

フォーマットの種類

インスタグラムでは主に4つの種類のフォーマットがあり、どのフォーマットを使うかも目的に応じて考える必要があります。

画像

最も一般的なフォーマットです。これは画像1枚とテキスト(2200文字以内)で構成されますが、画像は正方形もしくは縦型か横型から選ぶことができます。インスタグラムのユーザーがフィードに投稿する画面と同じように表示できます。画像でユーザーの注意を引き付けて、「詳しくはこちら」などのコールトゥアクションを設定することにより、ユーザーが次の行動を取ることができるよう促すことができます。

動画

動画は正方形または横型の画角になります。60秒以内の動画と2200文字以内のテキストで構成されます。画像と同様に「詳しくはこちら」や「申し込む」などのコールトゥアクションを設定することにより、動画とテキストだけでは伝えきれない情報をユーザーが得られるように設定することで、効果を上げることができます。

カルーセル

カルーセルは画像などを組み合わせたものです。最大で10枚まで組み合わせることができます。ユーザーがスワイプで設定された複数の画像や動画を見ることができます。カルーセルにも、最大2200文字までテキストを含めることができます。それぞれの画像や動画に異なるリンクを設定することができるため、複数の商品やサービスを宣伝したい時に効果的です。また、同じ商品の宣伝でも画角を変えてカルーセルで掲載することにより、ディテールまで紹介することができます。

コレクション

商品やサービスをカタログのような体裁で掲載するやり方です。メイン画像の下に表示された商品やサービスをタップすることで、ユーザーが自ら詳細情報を得ることができます。動画や画像でユーザーの興味や関心を引き、たくさんの商品を見せることができる方法なので、ブランドの雰囲気や商品のラインナップをユーザーに伝えることができます。

Instagram広告のやり方

次のようなステップで行います。

Facebookページを作成する

Facebookページだけでも投稿することができますが、Facebookビジネスマネージャーで管理をすれば、複数のページを管理したり、同じ社内の人間に権限を付与したりすることができるため、利便性が増します。ビジネスマネージャーを利用する際にもFacebookページは必要になるため、まずはFacebookページを作成することが最初のステップになります。

Facebookビジネスマネージャーのアカウントを作成する

Facebookビジネスマネージャーのアカウントの作成に必要なのは、ビジネスの名前(会社の名前)とあなたの名前(自分自身の氏名)、そして仕事用のメールアドレスの3つです。ビジネスの名前とあなたの名前に関しては、管理画面に表示されるものです。正式なものでなくても、機能上、問題はありません。仕事用のメールアドレスはクリエイティブの承認などに関するメールが届くので、普段からよく使っているアドレスの方が見落としなどを防ぐ点でも良いでしょう。

Facebookページの追加をする

Facebookビジネスマネージャーの設定が完了したら、Facebookページの追加を行います。Facebookビジネスマネージャー画面の右上に表示されている「ビジネス設定」のタブから「Facebookページ」、そして「ページの追加」を順次選択します。一番最初に作成したFacebookページのURLを入力してそのページを選択すると、承認がされます。

FacebookページとInstagramのアカウントを連携させる

次に、InstagramのアカウントにFacebookページを連携させます。これはInstagramのマイページより設定を行います。Instagramアプリを起動すると、右下に人の形をしたアイコンがありますが、そこをタップします。タップするとアカウントのプロフィールが表示されますが、その後、右上にあるメニュータブ(横線が3つのアイコン)をタップします。メニューが開けたら、「設定」そして「アカウント」を順次タップします。その後「リンク済みのアカウント」を選択すると、Facebookのアイコンがあるので、そこをタップすると「Facebookにリンクしますか」と表示されるので「リンク」をタップしてアカウントにログインします。最後に確認画面が出ますので、「○○としてログイン」をタップしてFacebookとInstagramのアカウントの連携が完了します。

広告アカウントを作成する

Facebookビジネスマネージャーの設定が完了したら、広告アカウントを作成します。Facebookビジネスマネージャーの画面から、右上にある「ビジネス設定」を選択します。その後、「広告アカウント」を選択し、「追加」を選びます。「新しい広告アカウント」を選択し、アカウント名を入力しますが、任意なのでビジネスマネージャーと同じ名前を入力することも可能です。ここまでで、アカウントに関する準備は全て完了になります。

入稿する

入稿には大きく3つのステップがあります。キャンペーンと広告セット、そして広告です。一つずつやり方を確認します。

キャンペーンの作成

キャンペーンとは目的の設定です。ビジネス設定メニューより広告マネージャーを選択し、キャンペーンのタブを開き、「作成する」をクリックします。キャンペーンの設定は結果に大きな影響を与えるので、しっかりと目的を理解して設定することが重要です。ブランドの認知度のアップが目的なのか、より多くのユーザーに情報を届けることが目的なのか、自社が目的としていることに沿ったキャンペーンを選択します。予算や掲載期間などの設定に関しても、キャンペーンに沿って決めます。

広告セットの作成

これはオーディエンスの設定(誰に配信をしたいのか)と配置の設定(どこに配信するのか)を決定する手順です。オーディエンスの設定では、カスタムオーディエンスか類似オーディエンスの選択をします。カスタムオーディエンスでは、自社かFacebookが持っているデータを基にターゲティングを設定できます。類似オーディエンスでは、カスタムオーディエンスのリストに入っているデータを基に、それらのユーザーに似たユーザーにリーチできるような設定です。類似度を1%から10%まで設定することができます。

地域からは日本だけでなく、他の国の人をターゲットにするかを選択できますし、他にも年齢や性別などの選択ができます。これらもまた、自社がターゲットにしている層、商品やサービスを売り込む目標などに合わせて設定していくことが重要です。

配置の設定では、宣伝を掲載する場所を選択することができます。Instagramで配信をする場合はInstagramのみを選択します。

広告の作成

最初に、アイデンティティの設定で掲載するアカウントにInstagramを選択します。その後、形式の設定から画像や動画の掲載方法を選択していきます。テンプレートなども準備されているので、イメージに合うものがあれば利用することもできます。掲載したいメディアを選択し、テキスト設定を行います。テキスト設定ではメインテキストだけでなく、見出しやリンク説明文などを設定することもできます。

支払いの設定

配信する内容の設定が完了した後は、料金の支払い設定を行います。ビジネス設定の「支払い」より支払い方法を決めます。クレジットカードはVISAとMasterCardの他に、アメリカンエキスプレスやJCBの利用が可能です。有効期限が切れた時には配信も自動的に止まってしまうので、十分な期限が残っているかをしっかり確認してください。

まとめ

インスタグラムで広告を掲載するやり方はそこまで複雑ではありません。むしろ、簡単かつコストパフォーマンスの良い方法です。上記のやり方に沿って設定すれば、個人でも簡単に行うことができるので、まずはチャレンジしてみると良いでしょう。ストーリーズ、フィード、発見タブといった配信方法に加え、フォーマットには画像や動画だけでなく、カルーセルやコレクションと様々な種類があります。自社の目的やイメージに沿ったものを選んで使うことが重要ですが、掲載方法によってどのような違いが生じるかをリサーチして、改善していくことも大切です。上手に利用することができれば、かなりコストパフォーマンスの良い方法で配信できます。まずは実際に試してみて、やり方や効果的な方法を学んでみてはいかがでしょうか。

趣味は茶道と料理。

松葉駿平

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