Instagram広告の広告フォーマット

松葉駿平

宣伝媒体で費用対効果を重視したいという場合、おすすめできるのがInstagram広告です。インスタが提供する機能を利用することで、企業が設定するペルソナに訴求力のあるプロモーションができる利点があります。魅力ある宣伝媒体ではあるのですが、画像のサイズに気を付けなければ、『SNS映え』などと言われるフォトジェニックな雰囲気を崩してしまいます。ここでは、フォーマットについて詳しく解説します。

インスタへAD出稿することのメリット

近頃、WEBをメインとした宣伝媒体を出稿する企業がInstagram(インスタ)への参入を検討するようになりました。グーグルやヤフーといったポータルサイトへの出稿のほうが周知率が高いように思うかもしれませんが、なぜインスタへの出稿が良いといわれるのでしょうか。そのメリットを見ていきましょう。

安価な出稿費用

インスタに出稿する場合、配信に関してあらかじめ予算を決めることができます。1ドルから出稿が可能なので、お試し配信などを検討することも可能です。また、CPMやCPAの費用が安価で、費用対効果を考えたときにわずかな費用で大きな成果を得たい場合に有効といえるでしょう。経費かけずにプロモーションをしたいという企業や、プロモーション出稿が初めてという企業に最適です。

細やかなターゲティング設定ができる

ビジネスアカウントを取得することで配信できる広告は、Facebookの利用者データを用いたターゲティング技術が適用されます。インスタとFacebookはアカウント連携がなされているため、企業が配信を想定しているペルソナに届きやすいメリットがあります。ビジネスアカウント上では、自動最適化や分析などが可能なので、その結果を見ながら精度を高め、より良い配信ができるようになります。

ADにストーリー性を持たせられる

インスタではいろいろなフォーマットでの配信が可能です。フォーマットの選択次第で、さまざまな可能性が生まれます。ターゲティング設定やフォーマットの設定でストーリー性があるAD配信も可能です。WEB上での宣伝媒体とは異なりインパクトは不要で、『SNS映え』を意識した画像や動画を用いるだけでも、ユーザーの目に留まるプロモーションが可能です。家庭用品大手企業などがこの手法で購買率の向上に成功しています。

コールトゥアクションで導線が持てる

インスタのADにはそれぞれコールトゥアクションの機能を持たせることができます。問い合わせフォームや、ランディングページへの誘導などが可能です。インスタの場合、キャプションに記載したURLにリンク機能はありません。ADのコールトゥアクション機能を使うことで、集客や成約に向けた導線が作れます。ボタンタップやスワイプで即座に移動できるところもメリットにつながるでしょう。

インスタ広告のフォーマット徹底解説

画像(写真)

画像1枚のみで配信するスタンダードかつシンプルなタイプのADです。作成されたものは、ユーザーのタイムラインともいえるフィードに配信されます。3つのフォーマットが設定されており、規定内での作成が求められます。

  • 正方形1:1の比率(最小解像度600×600px)
  • 横長1.91:1の比率(最小解像度600×315px)
  • 縦長4:5の比率(最小解像度600×750px)

なおこの3種類の写真でいずれの場合もキャプションの最大文字数は2200文字、添付できるハッシュタグは最大20個までです。最大解像度は1936px×1936pxの範囲で作成しなければいけません。

ユーザーの目に留まるようなフォトジェニックな内容を意識して制作することで、成果を上げることが求められます。

クリエイティブ動画

最大60秒までの動画とキャプションを表示可能です。こちらもユーザーのフィード上に表示されます。こちらも写真ADと同じ、正方形、横長、縦長の3つのフォーマットがあります。画像比率や最小解像度も写真ADに準じています。

動画ファイルに関しては、4GBまでのMP4もしくはMOV形式が推奨されていますが、ほとんどのファイルタイプに対応できる汎用性があります。

キャプションの最大文字数は2200文字、キャプション内に挿入できるハッシュタグは最大30個までです。

60秒までの動画が挿入できるため、動画アプリやゲームといったADやドラマ等のプロモーションなどに最適といえるでしょう。

ストーリーズ

Instagramのストーリーズという機能の中に配信されるタイプのADです。縦長の動画などがスマホの画面いっぱいに配信されるため、フィード配信のADとはまた異なる印象を与えられます。15秒間もしくは、インスタの機能によってAD画面が閉じられるまで表示されます。

ユーザーが投稿するストーリーズは、24時間表示ののち完全消去されます。用途はユーザーによって異なりますが、その時の気持ちや風景などが切り取られて発信されています。24時間後には自動的に消去されるという点もメリットとして受け取られているため、閲覧者・利用者ともに増えている機能です。ADはユーザーのストーリーズに挿入される形で配信されるため、目に留まる可能性を高めたい場合に有益です。

ただし、24時間を過ぎてもAD配信は続行されるので、数多くのユーザーに届けられるのも利点といえるでしょう。

フォーマットは9:16の縦長全画面表示となります。最小解像度は600×1067pxです。Jpg、gif、png、MP4、MOV形式で、最大30MB(動画の場合は4GB)サイズで作成します。動画の長さは最大15秒まで。スライドなどで別画面を表示できるカルーセル形式も利用可能になりました。これにより最大3つまでのクリエイティブ動画やリンクを表示させることもできます。

短い時間でも、遡及できる商品の紹介やサイト等への導線としておすすめです。

カルーセル

複数の画像とキャプションを最大10枚まで横スライドで表示できます。フォーマットは1:1比率の正方形のみ。ユーザーが投稿する写真と同じ形態ととらえるとよいでしょう。画像は正方形にトリミングされます。配信された際の比率が変更されないよう、1:1の比率を守った正方形サイズで素材作成が基本です。なお最大解像度は1936×1936px、最小解像度は600×600pxです。

カルーセルの10枚の素材の中には最大60秒以内の動画も挿入可能です。それに付随し、キャプションは最大2200文字、ハッシュタグは最大30個まで挿入可能です。

10の素材を1つのADの中に凝縮できるため、1つの商品を深く紹介するほか、複数の商品を広く紹介するなど汎用性が高いADとなるでしょう。最近では写真に限らず、ストーリー性のあるイラストやマンガを題材にしたADも増えています。

素材作成で注意したいこと

Instagram広告は、正しいフォーマットで配信をすることでユーザーに対し自社のイメージを印象付けるものです。そのため、素材作成時には細心の注意を払う必要があります。

写真のサイズを守ること

素材を作成する際に、写真のpx数を守ることが成功に向けた基本となります。サイズが合わない素材が配信されたときに拡大されてしまうほか、逆にトリミングされることも考えられます。挿入したテキストがすべて反映されない可能性もあるため、作成時から規約通りに合わせていくことが大切です。パソコンなどで作成する際も解像度を確認しながら作成しましょう。

写真にテキストは入れすぎない

2021年現在、素材に挿入するテキストの制限はなくなっています。しかし、インスタは文字よりもイラストや写真、動画を重視したSNSです。文字を入れすぎると見づらい素材になります。また、キャプションに関しても2000文字以上の挿入が可能ですが、実際ADのキャプションは読み飛ばされてしまうこともあるでしょう。検索目的のハッシュタグの挿入をメインとし、テキストは大切なことに絞って厳選することも一案です。

インスタの世界観を大切にする

フォロワーの投稿を逐次チェックするインスタグラマーも時折挿入されるADには苦手意識を持つ人も見られます。PRであること周知できることは重要な要素ですが、媒体出向先の世界観も大切にすることが、成約率を高める秘訣です。

例えば、ストーリーズADではイメージガールを起用し、物語のワンシーンのような写真とロゴで商品のイメージを伝えるなど興味を引くような方法などもあるでしょう。商品だけが目立つような無粋なADよりも、キラキラ感がある映えるADを意識して制作するとよいでしょう。

出稿規定に準じた素材を準備する

やはり宣伝商材なので、どんなに雰囲気がありインスタ映えが期待できる仕上がりでも、誇張表現や存在しない機能を描写しているなど、不備な点があれば出稿が却下になってしまうことがあります。正しい宣伝ができる素材であることが大切です。成功事例などをチェックしながら出稿規定に応じた素材になるよう、制作をすすめていきましょう。

広告出稿の目的

自社の宣伝を成功させるためには、どのような形態でInstagram広告を出稿し、どのようなフォーマットで作成するかといった点も戦略のひとつとして考えられます。自社の宣伝目的を洗い出し、それらに見合った形態で出稿することを検討していきましょう。

AD配信によって得たいものは何か、目的は明確にすべきです。

ストーリーズ

ブランドの認知度アップやリーチ数(広告を見た人数)を見るために選ばれます。またエンゲージメント確保にも役立つでしょう。ストーリーズにもURLのリンクが設置できるので、トラフィック数を稼ぐための目的も果たせる可能性があります。また、「15秒の先」をユーザーにゆだねやすく、スワイプによる自社サイトへの移動を促しやすくなります。

フィード上に掲載されるもの

ウェブサイトやランディングページへ誘導できるボタンを設置すれば、トラフィック数を稼ぐほか、コンバージョン(成約率)を高めることができます。また、ホワイトペーパーDLや会員登録といったフォーム登録を直接促せる、リード獲得ADなども有益です。特に、カルーセルと合わせると、成約につながりやすくなるうえ、興味関心を自社サイトへ移動させることによって満たせる工夫も生まれます。

フォーマットを変化させるなど、目に留まりやすい素材作成を検討していきましょう。

覚えておきたい機能

インスタは画像を見てもらうことが目的となりますが、Instagram広告は、それを見たユーザーがとるその先の行動を促す必要があります。そのためにはADで導入できる機能を覚えておきましょう。

コールトゥアクション(CTA)

素材には、CTAボタンを設定可能です。ユーザーがボタンをタップすることでラインディングページや自社サイトなどに移動させることができます。

  • 『詳しくはこちら』…詳細の説明のほか商品購入ページなど汎用性があるボタン
  • 『リンクを開く』…ランディングページや自社サイトへの誘導
  • 『お問い合わせ』…問い合わせフォームへの遷移誘導
  • 『予約する』…予約商品や客室予約などを促せるボタン
  • 『ダウンロードする』…ホワイトペーパーやアプリDLページへの遷移誘導

このほかにも登録ボタンなど多様な種類があるので、自社ADに合わせて設定していくとよいでしょう。

ショップナウ

インスタでは自社のショップへの誘導が可能です。ショップナウ(Shop Now)という機能を導入すれば、インスタ投稿画面からタップで商品購入ページへ遷移させることができます。Instagram広告の配信と合わせると、コンバージョンを高められるメリットが生まれます。タグ付けの感覚で1枚の画像に複数の商品リンクが可能といった点も便利な機能といえるでしょう。

ショップナウを導入する場合、コマースポリシーに違反しない商品を扱っているショップでかつ数百人規模のフォロワー数を持つビジネスアカウントが対象となります。またFacebookのページを持っていることも条件のひとつです。このほかにも条件が設定されており、審査も必要です。サービスではなく、製品(モノ)を販売しているサイトであることも大切です。

そして、ADにもショッピング投稿を利用可能です。1枚の静止画投稿のみと制限がありますが、コンバージョンアップやブランド認知度アップなどが望めます。従来のADとは異なり制約がありますが、相乗効果を生みたい場合に組み合わせてみるとよいでしょう。

まとめ

Instagram広告のフォーマットや応用を中心に解説しました。達成したい目的や顧客へ促進するためのアクションを覚えておくと、SNSをプラットフォームにした経営戦略が可能になります。フォロワーを獲得しながら、リーチやコンバージョンにつなげられるよう育てていきましょう。

趣味は茶道と料理。

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