2004年にFacebookがサービスを開始し、2006年にTwitterが登場しました。

今や生活の中にソーシャルメディアはなくてはならないものとなっています。
ICT総研の調査結果 によると、2018年時点の日本国内におけるSNS利用者数は7,523万人であり、普及率は75%に達したと発表されています。いかに現代の生活に浸透しているかが分かります。

SNSは気軽に利用できることが特徴です。

消費者によって、直接的で率直な体験談が投稿されます。
SNSを利用する消費者をターゲットに、メーカーやアパレルブランドをはじめとしたBtoC企業は、積極的にプロモーション活動を繰り広げています。

一方、BtoB企業についてはどうでしょうか。法人を対象としたマーケティング施策として、SNSはまだいまいち活発に利用されていない印象です。

しかし徐々に、SNSを活用することで自社商品のプロモーションに成功している企業が現れていることも事実です。

実のところ、当社でもTwitterを開始してから、Twitterを見て当社のことを知ったとお問い合わせをいただくようになりました。

今回は、BtoBマーケティングのなかでも特にTwitterを活用する方法について、当社自身がTwitterを使って情報を投稿していくなかで得た気付きをシェアしたいと思います。

1 TwitterがBtoBマーケティングにおすすめな理由

どんな商品にも適しているとは思いませんが、初期導入コストが安価な商品や、コンサルティングなど人や情報を売りにするBtoBサービスについては一定の効果を発揮すると思っています。


1.利用者数の多さ

Twitterの国内利用者数は、2017年時点で約4,500万人と発表されており、全人口の約35%にあたります。  そのうち、20代~40代の利用者 が多く、全体の47%を占めています。( インスタラボ より )

意外と忘れてしまっている人が多いのですが、Twitterを閲覧している人は消費者であり、一方で 多くの場合、何かしらの企業に勤めている会社員や経営者などのビジネスマンでもあります。

TwitterなどSNS上で発信することは、一見、法人顧客の獲得には程遠いように思えますが、長い目で見れば自社商品を知ってもらえる機会づくりとなります。

2.強い拡散力で認知を広げられる

Twitterの特徴的な機能であるリツイートをうまく活用できれば、自社アカウントを広範囲に周知することが可能になります。

リツイートされた投稿は、そのフォロワーに拡散され、そのリツイートを見たユーザーがさらに自分のフォロワーに向けてリツイートする。その連鎖が回り始めると、これまで自社のことを知りえなかった人にもリーチすることができます。

拡散される投稿を意図的に生み出すのは、たしかに至難の業ですが、継続的に発信することで、いつか「あの人が話題にしていた商品だからいいかもしれない」と成果に繋がる可能性があります。

3.近い距離感による信頼の醸成

Twitterは、Facebookのように個人が特定できる形ではないにせよ、むしろ匿名であることによって、自由で気軽に想いを投稿できる場です。

「つぶやくメディア」といわれているように、ユーザーはその時々の行動や感情を赴くままに投稿します。それゆえ、ユーザーの人柄や趣味嗜好が垣間見え、近い距離感でコミュニケーションを取れることも特徴の一つです。

アカウントを一貫したコンセプトで運用し、ブランドイメージを培っていけば、「この人にだったらお願いしてみたい」「この人が働いている会社ならお願いしたい」と、成約に繋がる可能性が十分にあります。

4.費用対効果

アカウントを開設し、単に投稿するだけなら何件でも無料です。

投稿は非常に簡単ですし、何を伝えようとも140字までなので、推敲に時間もかかりません。それなのに強い拡散力を持ち、認知度を高められる可能性があります。

まずは利用しない手はないと思います。

2 見込み客を囲いたいなら意識すべきこと

それではどのような内容を投稿していくべきでしょうか。

当社は法人向けにマーケティング支援を行っている、いわゆるBtoB企業ですが、まずは認知拡大を目的として、半年ほど前からTwitterでの活動を開始しました。

これまでツイートを続ける中で重要だと感じたポイントを5つに分けてシェアします。

 1.過度に宣伝しない
 2.ターゲットを見定める
 3.ツイートのジャンルを絞る 
 4.質のいいツイートを心掛ける
 5.オリジナリティのあるコンテンツを発信する


1.過度に宣伝しない

Twitterは多くの場合、仕事から離れた日常生活で利用されているサービスです。

利用シーンの調査によると、「自宅でくつろぎながら」が66%と最多で、その他「ベッドや布団の中」(43%)、「テレビを見ながら」(40%)といったデータからも、比較的リラックスした状態で利用する人が多いことが分かります。*3 

そのような状況では宣伝じみたツイートはなかなか目に入りません。よっぽど積極的に情報収集している人くらいでしょう。

過度な宣伝をすることなく、会社の認知度を高めることは、結論でいうと可能です。

例えば、SNS運用支援などを行うホットリンク社のメルマガなどは非常に参考になります。

企業発信のメルマガといえば、本来は宣伝のためと一般認知されるなか、あえてまったく宣伝や売り込みがなされないメルマガとして、その意外性と内容の面白さがTwitterで話題となっていました。

ツイート

メルマガの例にはなりますが、同じ情報媒体として読んでいて楽しい、意外性があるといった要素はTwitterでも参考になります。

宣伝をまったく入れていないのにコンテンツの力だけで会社に対する関心が高まり、認知が広がった事例です。

2.ターゲットを見定める

誰に見てほしいかを考えることで、投稿すべきコンテンツの方向性が定まります。
またそのターゲットは、自社の情報を積極的に見に来てくれるロイヤリティの高い人であるべきです。

例えば当社では、マーケティング支援を必要とする方に見てもらいたいと思っていたので、ツイートの内容もほぼマーケティングに関連するものに限定しています。

その結果、実際にフォローしていただいている人の約半数が、マーケティング担当者の方や、代理店の方、経営者の方など、やはりマーケティングに関心のある方となっています。

逆にいえば、投稿する内容によってある程度フォロワー層をコントロールできるともいえます。

3.ツイートのジャンルを絞る

自動車といえば○○、国民的アニメといえば○○、といったように、具体的な何かと商品名を結びつけられる状態を生み出すことが、最終的な成約への近道になります。つまりブランド認知です。

Twitter上には全世界で10億というアカウントがあるからこそ、独自性を出して際立つためにあえて絞るのです。

「マーケティングの最新情報が分かるからフォローしておこう」「これを見るといつも元気が出るからフォローしよう」といったように、閲覧者に明確なメリットを提示できるアカウントにすることが、将来の顧客を増やすための土台作りとなります。

フォロワーにとっては、タイムラインを興味のあるトピックだけに絞り、興味のないツイートで邪魔されるリスクを防げます。

あれもこれもと手を出さず、テーマに一貫性を持たせることで、自社アカウントのブランドイメージを高めていきます。

4.質のいいツイートを心掛ける

どんなツイートでも拡散されるわけではありません。
見た人が心に留めておきたいと感じたり、他の人にも見てほしいと思うようなコンテンツを投稿する必要があります。

求められる質の高さは、ターゲットによっても異なりますが、少なくとも日々の投稿に対する反応から、閲覧者が求めているものとは何かを考えることが重要です。

例えば当社の事例です。
デジタルマーケティングに関する情報を発信していますが、ツイートをいくつかのジャンルに分類して、平均いいね数の多さで並びかえると、「お役立ちツール情報」のような明日にでも使えるTips系の投稿が上位にきます。

Tips系投稿

さらに平均リツイート数を見ると、「Google広告や検索エンジン等に関するアップデート情報」が上位にきます。

このような反応を見て、またさらに情報をいち早くまとめて発信することで、「最新情報を流してくれるアカウント」という認識をもってもらうことができるのです。

ツイートの質に関してもう一点留意すべきなのは、投稿はプライバシーアカウントに設定しない限り、全世界に公開され、残り続けるということです。誰がいつどこで目にするか分からないため、発信内容には適度に気を付ける必要があります。

5.オリジナリティのあるコンテンツを発信する

単に他の人が書いた記事をシェアするのではなく、日々の中で自分が学んだことや自説を投稿するほうが、反応率が高い傾向にあります。

記事をシェアする場合でも、自分なりの考察やコメント付きで投稿するようにしましょう。

また、人は機械的で無機質なものより、人間性を感じるものに惹かれます。同質な人の意見に同調することで自分の存在価値を肯定し、逆に異質なものに対しては否定したくなるものです。

人格が見えるほうが、良くも悪くも反応がつきやすくなります。見ている人を不快にさせるようなツイートは控えるべきですが、ひととなりが分かるようなツイートを意識することで、ファンがつきやすくなります。

3 まとめ

BtoB企業におけるTwitter活用について、当社の事例もふまえて説明しました。

BtoBマーケティングは、BtoCと比べると成約までに長い時間を要します。
何もない状態から信頼してもらうことはなかなか容易ではありません。

TwitterをはじめとしたSNS運用は、地道な努力が必要ですが、結果的に口コミが拡がり、ブランド認知に繋がり、長期的に見て爆発的な成果を上げられる可能性を秘めています。いつか「そういえばあんな人いたな」と思い出してくれるタイミングが来るかもしれません。

まずは、○○といえば_と、想起してもらうきっかけを作ることが第一歩です。少しずつ投稿してみてはいかがでしょうか。