「Googleアナリティクスを見る時に、何に着目すればいいですか」

そういう質問をよく受けます。

複数のレポートや指標があるので、どこから手をつければいいか悩んでしまうようです。

こうした質問を受けた場合には、「コンバージョンを見てください」と答えるようにしています。

ビジネスの大きな目標は、何らかのコンバージョンで把握することができるからです。またコンバージョンにいたった接点は、マーケティング上でとても重要です。

Googleアナリティクスは流入元が不明な接点は、「(direct)/(none)」に集計されます。

この「(direct)/(none)」とコンバージョンには、仕様上で知っておくべきポイントがありますので、今回はそのポイントについて解説します。

1 ラストクリック

通常のコンバージョンでは、最後の接点を見ます。

(A)Googleの自然検索→コンバージョン

(B)Google広告→コンバージョン

(C)メールマガジン→コンバージョン

これらの場合、(A)はSEO、(B)は広告、(C)はCRMで成果が出ている、これらを強化すればコンバージョンの獲得は上がると評価されます。

これはもっとも一般的な効果測定の考え方ですから、理解しやすいでしょう。

こうしたコンバージョンへの接点を、「ラストクリック」または「ラストタッチ」と呼びます。

コンバージョン直前の最後の接点のみを評価すればいい、という考え方で、オフラインの効果測定でも基本になります。

 

Googleアナリティクスの仕様で注意すべきは、次のようなケースです。

 

(D)Googleの自然検索→ブックマーク→コンバージョン

(E)Google広告→流入元不明→流入元不明→コンバージョン

ブックマークや流入元不明は参照元/メディアでは「(direct)/(none)」、チャネルでは「Direct」となるはずです。

しかし実際には、

 

(D)ではGoogleの自然検索(参照元/メディアはgoogle/organic、チャネルはOrganic Search)にコンバージョンが付きます。
(E)ではGoogle広告(参照元/メディアはgoogle/cpc、チャネルはPaid Search)にコンバージョンが付きます。

つまり(direct)/(none)、あるいはDirectという流入元不明の接点に対してカウントはされず、その前で流入元不明以外の接点が確認されれば、Googleアナリティクス上はそちらが記録されます。

2 レポートの見方

コンバージョンを接点別で見る際は、集客レポートからが便利です。

下記は、集客レポート>参照元/メディアです。

集客レポート

定義は前項で解説した通りなので、(direct)/(none)はそれ以外の接点が確認された場合、そちらにカウントされています。

中には「本当に(direct)/(none)から発生したコンバージョン数が知りたい」、という意見もあるでしょう。

これを確認するには、セカンダリディメンションで「直接セッション」を選択します。するとレポート上に「YES」または「NO」が表示されます。

YESが直接の流入、つまり(direct)/(none)です。NOはプライマリディメンションに表示されている流入元です。

(direct)(none)

「直接セッション」は比較的新しいディメンションなので、あまり使われていないようですが、実際の参照元が気になるという方は覚えておくと便利です。

厳密には(direct)/(none)以外も含んでいるのですが、これ以上は追えないので直接セッションとして大まかに把握するまででいいでしょう。

なおこの直接セッションはカスタムレポートでは使用できますが、セグメントでは選択できません。

3 まとめ

直接セッションを使うことで本当のラストクリックに、(direct)/(none)がどれくらいあるのかが容易に把握できる、というのはわかりました。

しかしマーケティングで大切なのは、「知ってから、それをどう生かしていくか」です。

(direct)/(none)の内容は特定が難しいため、対策をするのは難しいというのが実際です。

私たちデジマールは数多くのWebサイト、デジタルサービスのデータに関わってきています。その経験から仮説を立て、流入の実態を分析してマーケティングの改善、強化に生かす提案をしています。