「アトリビューション分析」は、直接コンバージョンとなった接点以外を分析する方法です。
通常、コンバージョンに結びついた接点は「ラストクリック」「ラストタッチ」と呼ばれ、コンバージョンが発生する直前の接点を指します。
これに対してアトリビューション分析は、「間接効果」「貢献度」といった呼ばれ方をします。これは直前の接点以外も含めて、コンバージョンまでの経路すべてを分析する方法です。
Googleアナリティクスにはこの分析をおこなうメニューとして、「アトリビューションレポート」が用意されています。
この記事では、このアトリビューションレポートの見方と活用法を解説します。
1 アトリビューションレポート
アトリビューションレポートは、コンバージョンのアトリビューション>モデル比較ツールで見ます。
アトリビューションモデルとして「終点」「最後の間接クリック」「Google広告のラストクリック」「起点」「線形」「減衰」「接点」ベースの7つが用意されています。
それぞれを簡単に紹介していきましょう。
●終点
コンバージョン前の最後の接点に、100%の貢献度を割り当てます。
集客レポートでは最後の接点が(direct)/(none)の場合、それ以前に別の流入元があればそれを記録します。しかしアトリビューションレポートでは、そのまま(direct)/(none)にコンバージョンが割り当てられます。
●最後の間接クリック
最後の接点が(direct)/(none)の場合、それ以前に別の流入元が確認されればそこにコンバージョンがつきます。つまり集客レポートで確認される、通常のコンバージョンの割り当て方です。
●Google広告のラストクリック
経路の中にGoogle広告がある場合、そこに貢献度がすべて割り当てられます。
●起点
コンバージョンにいたる経路の、最初の接点にすべての貢献度が割り当てられます。
●線形
コンバージョンの経路すべてに、均等に貢献が割り振られます。つまり2つあれば50%ずつ、4つならば25%ずつです。
●減衰
最後の接点を多めに、そこから離れるに従い貢献度を低くして割り当てていくモデルです。
●接点
起点と接点に大きく貢献度をつけ、その間の経路には残りを均等に割り振っていきます。
2 見方と活用方法
レポートの操作としては、表の上部でモデルを選択して、出てきた数値を比較します。
この例では、終点モデルと起点モデルで比較しています。たとえば「参照元サイト」は終点に比べ、起点としての貢献が高めなのがわかります。二つでなく、3つ以上のモデルを選択しての比較も可能です。
このレポートでもう一つ重要な機能は、「ルックバックウィンドウ」です。
これは経路を、どの期間で見るかを調整します。
たとえば30日間で見てみます。
・Googleの自然検索→メルマガ→コンバージョン
この経路の場合、起点モデルで見ればGoogleの自然検索に貢献度がつきます。
しかし、ルックバックウィンドウを60日間に広げた場合、Googleの自然検索の前にSNSも接点があった、というデータが含まれていたとします。
・SNS→Googleの自然検索→メルマガ→コンバージョン
これを起点モデルで見れば、貢献度がつくのはSNSです。
このようにルックバックウィンドウの期間により、貢献度の付き方は変わります。
3 まとめ
アトリビューションレポートを見ていくと、通常のコンバージョンではまるで貢献していなかったSNSが、起点モデルでは値が大きく伸びているなどさまざまな発見があります。
貢献度を見ることで、通常は評価がされない媒体のパワーや役に立つタイミングを発見することができます。
ルックバックウィンドウは標準で30日となっていますが、BtoBや検討期間が長いサービスであればもっと長めにとった方がいいでしょう。
このようにアトリビューションレポートの機能で数値は容易に把握できますが、その見方や評価方法にはある程度の知見が必要です。そもそもどのモデルで比較すればいいかがわからない、という意見も多く聞きます。
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