有料のGoogleアナリティクス360は、無料版と使い方はほぼ同じです。
ただしサンプリングされていないデータを扱ったり、広告関連が強化されているなど、無料版にはない機能もいくつかあります。
そんなGoogleアナリティクス360に、ベータ版としてついているレポート機能があります。
あまり話題になっていませんが今後伸びていきそうなものなので、紹介したいと思います。
1 分析
Googleアナリティクス360の管理画面にアクセスして、向かって左側のメニュー列を下に見ていくと、
「分析(ベータ版)」というメニューがあるのに気がつくでしょう。
あまりにもひっそりとしていますしベータ版ですから、大した機能ではないのだろうという印象を受けます。ところがこの「分析」という機能、なかなかの優れものです。
日本語では「分析」となっていますが、実際には「Advanced Analysis」という名称だそうです。どんな機能かといえば、ドラッグ&ドロップで自由度の高いレポートを作成することができます。
Googleアナリティクスには「カスタムレポート」という機能が昔からあり、ここで指標やディメンションを組み合わせて自身の分析に必要なレポートを作成することができました。
しかし操作性が良いとはいえず、Web技術が進歩した今日ではいっそう使いにくい印象でした。
「分析」はそうしたネガティブな面を一新できる、操作性の高いレポート機能です。
画像はGoogle公式ページより。
https://analytics-ja.googleblog.com/2018/06/google-360_9.html
2 具体的な機能
それでは「分析」について、具体的な機能を見ていきましょう。
3つのレポートを作成することができます。
○探索
ディメンション、指標、セグメントを組み合わせて自由度の高いクロス集計ができます。若干ですが、カスタムレポートや基本レポートよりもビジュアル的にも優れています。
○目標到達プロセスの分析
ファネルレポートを作成するための機能。360はカスタムレポート内にカスタムファネルレポートが用意されています。これが5ステップまでなのに対し、こちらは10ステップまでが可能です。
○セグメントの重複
作成したセグメントの重なり、特徴などを比較することができます。各セグメントのボリュームや重なり具合をビジュアルとして見ることができるので、便利です。
使い勝手としては、データポータル(旧データスタジオ)に似ています。データポータルやBIツールでディメンションや指標をドラッグ&ドロップで操作することに慣れている方は、これまでのGoogleアナリティクスのレポートより遥かに使いやすいと感じられるでしょう。
3 今後はどうなる?
Adobeアナリティクスをご存知の方は、Google版のWorkspace(ワークスペース)のようなイメージを持つかもしれません。
AdobeはWorkspaceに主軸を移していますが、Googleアナリティクスもそうなっていく可能性があります。
ただしWorkspaceに比べれば使用できるレポートの種類はずっと少ないですし、操作性も十分ではありません。
今後気になるのは、無料版でもこの機能が使えるようになるのかということです。カスタムレポートよりずっと操作性は高いので、使えるレポートの種類に制限があってもいいので、無料版にも搭載して欲しい機能です。
またより広い視点では、データポータルとのすみ分けも気になります。
ビジュアライズという点ではデータポータルが遥かに勝りますので並列では評価しにくいですが、集計や分析機能という意味では似ているのでどちらを使えばいいのか迷います。
GoogleはBIツールのLooker(ルッカー)も買収していますので、データポータルも数年後にどうなるか・・・という話もあります。
Googleアナリティクスの「分析」も含めどうすみ分けるのか、現時点では予測しにくい状況です。