Google広告のレポート画面に、最近気になる表示がされています。
古くから馴染みの深い、「平均掲載順位」の項目に注意マークがついています。
この平均掲載順位が、2019年9月末で廃止されるのです。
今回はこの表示廃止についての詳細と、今後は平均掲載順位に変わりどう広告の掲載評価をおこなっていけばいいのかについて、解説していきます。
1 平均掲載順位とは
そもそも平均掲載順位とは、文字通り広告の掲載位置を示す指標です。
広告が1~2番目に掲載されればクリック率は高くなりますし、逆に低ければクリックが落ちます。
ただしこの平均掲載順位という指標には、落とし穴があります。
Googleの検索広告は、検索結果ページの上部に掲載されることもあれば、下部に掲載されることもあります。
平均掲載順位は上部だろうが下部だろうが、広告が掲載されている位置を示す指標でした。
ですから広告が検索結果ページの下部の高い位置に掲載されていても、平均掲載順位は1位だったのです。
当然広告が上部に掲載されて掲載順位が1位なのと、下部に掲載されて1位なのとでは価値が大きく異なります。
Google広告は数年前、スマートフォンに合わせてサイドへの掲載を無くしました。
ですから平均掲載順位で評価をするという方法は、実情と合わなくなっていたのです。
これが平均掲載順位が廃止となる、大きな理由です。
2 今後の評価方法
しかし広告のパフォーマンスを評価するためには、掲載位置と同等の指標が必要です。
今後使われることになる指標は、「インプレッションシェア」など表示に関するものです。
今後は平均掲載順位に変わり、インプレッションに関する各種指標を使うようにとアナウンスされています。
この中で「ページ上部インプレッションの割合」「ページ最上部インプレッションの割合」を使うことが、特に推奨されています。
この指標はそれぞれ、次のようなことを指しています。
・ページ上部インプレッションの割合
自然検索結果の上部に広告が掲載された割合を示す指標です。
・ページ最上部インプレッションの割合
自然検索結果の上部、その一番上に広告が掲載された割合を示す指標です。
たとえば広告表示が全体で1000回され、ページの一番上に100回表示されたとしたら「ページ最上部インプレッションの割合=10%」です。
一方インプレッションシェアは、「実際の表示回数÷表示される可能性があった回数(推定値)」で算出された数値です。
「検索広告のページ最上部インプレッションシェア」という指標は、「検索結果ページの一番上のインプレッション数÷ページ上部インプレッションの推定数」で算出されます。
インプレッションシェアに関しては、「検索広告のインプレッションシェア損失率」など、他にもさまざま指標が追加されています。
これには予算、広告ランクの区分があり、どちらの要因で損失が起こっていたかで対策も変わってきます。
3 まとめ
実態を表すことができなくなっていた平均掲載順位が廃止になり、インプレッションシェアで表すことになったというのは、広告の精度を考えれば歓迎すべきことです。
しかし複数の指標があるため、それぞれの意味をきちんと把握して運用していくことはなかなか困難です。
掲載順位という直接の数値ではなく割合やシェアになったことで、細かな評価をしていかなければならなくなったのも事実です。
私たちはこうした広告の仕様変更を日々チェックしながら、使いどころを選ぶことで適切な運用をおこなっています。
現在は広告を代行するという以外に、こうした情報やノウハウの提供をしながら、自社内で広告運用ができる組織づくりのサポートをおこなっています。
ぜひお気軽に問合せください。
なお平均掲載順位の廃止により、レポート機能からも当然このデータの記載が無くなります。
これまで平均掲載順位を含め社内の報告書を作成されていた方は多いでしょう。レポートのメンテナンスも忘れずにしておきましょう。