Facebook広告を始める前に

松葉駿平

facebook広告配信プラットフォームは、自社の情報を広告として発信できる幅広い層への訴求能力を実現する機能を持ち、大きな費用対効果が期待できる優秀なサービスとして好評を博しています。

配信先はfacebookにとどまらず、Messenger、Instagram、Twitter、Audience Networkというように、非常に広範囲にわたります。

始め方としては難しくない種類のものですが、事前の準備が必要です。ビジネスマネージャ、広告の入稿、支払い設定の3つが大きな柱です。

ビジネスマネージャを開設する

通常の管理画面からでも出稿や情報管理はできますが、専用ツールである「facebookビジネスマネージャ」を導入したほうが、より便利に出稿・管理ができるようになります。企業によっては複数のアカウントを持つケースがありますが、ビジネスマネージャはそのすべてのアカウントを一括で管理することも可能なため、業務の負担を考慮すると、ぜひ導入をおすすめします。

なお、ビジネスマネージャは無料です。ツールというと難しいものではないかと考えてしまいそうですが、ビジネスマネージャは設定の手順が少なく、始め方や使い方が分からないということはほぼないものです。

ビジネスマネージャでできること

ビジネスマネージャでは「出稿している広告の管理・各種数値の確認・各種設定の変更」が行えます。利用者権限は複数人の設定が可能です。社内でツールを共有する際に役に立つでしょう。

また、通常の管理画面からでも充分管理が可能ではあるのですが、ビジネスマネージャ上からのみ使える機能もリリースされています。やはりビジネスマネージャの導入は必須と言えそうです。

ビジネスマネージャの利用登録

ビジネスマネージャは利用登録をすることによって、開設が可能になります。該当ページで手続きを行えば開設完了です。

ビジネスマネージャのアカウントを作成する

一番始めにすることはアカウント作成です。アカウント作成には、企業名、氏名、メールアドレスの情報が必要です。該当のセルに情報を入力しましょう。

このとき、氏名は「名前・姓」の順で入力します。facebookの本社はアメリカにあるため、日本語の姓名表記とは逆になるという理由です。また、名前と姓の間には半角のスペースを入れておきます。

なお、企業名と氏名はビジネスマネージャに表示されます。とくに本名である必要はないのですが、考慮した上で入力を行ってください。

次の画面では「ビジネスの詳細追加」というタイトルの入力シートが表示されます。企業の住所や電話番号、ウェブサイト、出稿の内容(取り扱いは自社製品か他社製品か)の入力項目を埋めれば、アカウント作成完了です。

facebookページをビジネスマネージャに登録する

企業で先に開設しているページをビジネスマネージャに追加登録します。この手続きをしなければ広告が配信できないため、すぐに登録すると良いでしょう。

設定のやり方は簡単です。画面右上にある「ビジネス設定」をクリックすると、設定メニューが表示されます。その中の「facebookページ」を選択し、出て来た「追加」ボタンを押せば追加登録が完了です。

アカウントの作成

ここまではビジネスマネージャの設定をしただけであり、出稿するための準備はまだできていない状態です。出稿するためには広告アカウントの作成を行う必要があります。

作成の仕方は、やはり「ビジネス設定」をクリックしてスタートです。「広告アカウント」→「新しい広告アカウントを作成」の順にクリックし、アカウント名を入力します。このときのアカウント名は任意ですので、基本的にはどのようなものでも問題なく選べます。ただ、企業で運用する際には企業名で入れると管理が楽になるでしょう。

次に「時間帯・通貨」を入力します。企業の条件に合わせた設定です。なお、時間帯と通貨は後日変更することができないため、正確な入力が必要です。出稿した広告の配信時間や金銭関連の行事に用いられる情報です。事前にチェックを行うと良いでしょう。

これで、出稿するための基本的な準備は完了です。

facebook広告の入稿方法

ビジネスマネージャ内でアカウントが作成できたのであれば、あとは出稿作業に入ることができます。かなり詳細なターゲティングが可能な機能を持っているため、設定完了まで戸惑いそうですが、慣れてしまえば問題なく進められるようになります。

出稿作業は4段階です。キャンペーン、オーディエンスの条件セット、配信先のセット、作成の順で行います。

キャンペーン

始めに出稿の目的を決めることを「キャンペーン」と称します。ビジネスマネージャ内に表示される項目から目的を選び、名称を入力すれば完了します。目的は以下の5つが選択されるケースが多いようです。

  • 【ブランド認知度アップ】情報に興味を持ちそうなユーザーの増加を狙う
  • 【リーチ】多数のユーザーに情報を届けることが目的
  • 【トラフィック】リンク先へユーザーを誘導する目的
  • 【動画の再生数アップ】動画を多くのユーザーに見せたい
  • 【コンバージョン】購入ファネルに商品購入などのアクションを起こさせたい

配信する情報の種類によって、ターゲティングとなるユーザーは異なっています。情報の内容がどの段階のファネルであるかを分析し、適切なキャンペーンを設定すると効果が上がるでしょう。

オーディエンスの条件を設定

ターゲティングするオーディエンス(ユーザー)、配信先を設定します。既にプランニングしてある情報に従って入力していけば、問題なく完了します。

オーディエンスの設定をします。1つ前の手順でキャンペーンの作成が完了した画面に出る「次へ」をクリックすると、オーディエンスの設定画面が表示されます。

始めに使うときには「新規作成」のタブを選びます。今後、同じ条件で配信したければ条件保存をしておきましょう。隣にある「保存済みのオーディエンスを使用」というタブから使えます。

他の設定項目は以下のものがあります。

  • カスタムオーディエンス
  • 地域
  • 年齢
  • 性別
  • 言語
  • 詳細ターゲット設定
  • つながり

これは「誰に配信するか」という点で重要な意味を持ちます。かなり詳細な設定ができることが一目で分かります。

とくに「カスタムオーディエンス」は、配信する情報を受け取ることに適したオーディエンスをfacebook・Instagramから自動的に見つけ出す機能です。活用しない手はないと言えます。特別な事情がない限り、必ず設定した方が良いでしょう。

「詳細ターゲット設定」も、活用次第でより効果的な広告配信が可能です。登録プロフィールや「いいね!」したタイムラインの内容・種類から分かる興味や関心事により詳細な絞り込みを行えます。

配信先を設定

広告を掲載するプラットフォームと予算・掲載期間を設定します。

プラットフォームの設定

ビジネスマネージャを使って設定ができる掲載先は、facebook、Messenger、Instagram、Audience Networkの4種類です。この中から自由に選択することができます。

どこに設定していいのか分からない、またはとくにこだわらないという条件であれば、「自動配置」を選択すると良いでしょう。自動配置は4種類のプラットフォームすべてに配信されます。パフォーマンスが高くなる可能性が高い配置をしてくれるので、facebook社が推奨する設定でもあります。

たとえばInstagramなら、フィードと呼ばれるタイムラインのほかにストーリーズというコンテンツがあります。パフォーマンスが良いと判断されたほう、もしくは両方に自動的に配置されます。

手動でプラットフォームや配置場所を選択する「配置を編集」でも、4種類すべてのプラットフォームが選択できます。フィードを始め、ストーリーズやその他の配置位置が自由に選べますので、自社にとってパフォーマンスが高い場所を設定します。

予算・掲載期間の設定

プラットフォームと配置場所を決定したら、予算と掲載期間を設定します。広告を出稿するための予算と、オーディエンスのデバイスに表示される期間のことです。

予算項目は、ビジネスマネージャを始めに設定したときに入力した通貨でのみ、表示が可能です。変更できない項目のため、最初の登録時には注意が必要です。「1日の予算」という項目に、プランニング通りの金額を入力します。

次に掲載期間ですが、こちらは2種類の期間から選択が可能です。1つは「今日から継続的に掲載する、もう1つは「掲載開始日と終了日を設定する」と表示されます。

継続的に掲載するのであればとくに終了日を設けないため、掲載終了手続きをするまで掲載され続けます。終了したいときには管理画面から終了の日付を入力すれば、問題なく完了します。逆に、最初に終了日を決めていたものの、やはりもう少し延長したいというときには、同じく管理画面で終了の日付を変更するだけで延長が可能です。

作成

実際に配信する広告となるクリエイティブの設定を行います。1枚だけの画像や動画にするのか、それとも複数の画像を使うのかなど、クリエイティブの種類を選択していきます。

その次に「メディア」で掲載する画像・動画を選択します。これはローカルやクラウド上にある自社のデータをアップロードするだけです。アップロードしたものがそのまま配信されるため、必ず完成したデータを使用します。

また、画像内にあるテキストの分量についても注意が必要です。facebookでは「画像内のテキスト量は20%にしなくてはならない」というルールがあります。そのため、テキスト量が20%以内に調整されているか否かを確認してからのアップロードが求められます。

画像・動画の設定が完了したら、メインテキストや見出しになる文章を設定します。こちらは画像内のテキストとは別のものです。文章とは別に遷移させたいURLがあれば、別項目で入力することができます。

ここまで作成が終われば、プレビュー機能で実際のフィードに表示される画面の確認が可能です。どのようなクリエイティブが完成しているか、不足はないか、この時点で詳細に確認するべきでしょう。

支払い設定の方法と注意点

facebook広告は有料です。最後に支払い設定をして、出稿作業は完了です。

支払い方法の設定

支払い方法は4種類から選ぶことができます。

  • クレジットカード、またはクレジットカード機能がついたデビットカード
  • PayPal
  • 口座振替
  • (一部の国のみ)手動決済

クレジットカードの決済ブランドは、基本的にAmerican Express、Discover、Mastercard、Visaの3社です。しかし、日本に限り、JCBで決済することが可能です。

また、一部の国のみとされている手動決済に関しても、日本であれば選択が可能になっています。最初に「手動決済」を設定する必要があります。手動決済はオンライン銀行振込が対象です。

支払いにおける注意点

クレジットカードを利用しての決済を選択したとき、注意しておくべき点は、クレジットカードの有効期限です。自動決済で設定したクレジットカードが期限切れになってしまうと未払い状態になり、出稿が取り消されます。支払いをクレジットカードに設定するときには、有効期限に充分な注意が必要です。

始め方は案外簡単なビジネスマネージャ

ビジネスマネージャを利用した配信方法は、構造的にはシンプルで分かりやすく、通常の管理画面で行うよりも手軽で機能的です。予想していたよりも簡単だと感じる人も多いでしょう。

反面、広告配信そのものは周到な配信準備が必要です。オーディエンスや配信先に関する絞り込みが失敗すると、思った通りの成果を得られないことになるでしょう。

また、配信する情報もプラットフォームの配信ポリシーを遵守できているかどうかの確認も常に必要です。配信ポリシーや禁止されているコンテンツに抵触した場合、審査に通らず、出稿が取り消されてしまいます。万一審査に通らないことがあったら、広告ポリシーを改めて確認したあと、問題がないという自信を持てれば異議申し立てを行うと良いでしょう。

審査に無事通過すれば、設定に応じてスムーズに配信が開始されます。非常に優れたシステムですので、ぜひ使いこなしていきたいものです。

趣味は茶道と料理。

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