MetaのAdvanced+ショッピングキャンペーンは、Facebook広告やInstagram広告で使うことができる新しいショッピングキャンペーンです。
キャンペーンの作成で必要なのはいくつかのキャンペーン設定と、広告の作成のみ。売上が最大化されるように機械学習が働き、ターゲティングが自動で行われます。
配信設定の相当部分が自動である点は、GoogleのP-MAXキャンペーンに似ています。
今回は、Advanced+ショッピングキャンペーンの概要と入稿で気を付けたい点を見ていきます。
参考:Metaビジネスヘルプセンター|Advantage+ ショッピングキャンペーンについて
Metaの「Advanced+」とは?
Metaの広告プロダクト「Facebook広告」「Instagram広告」の管理画面では、「Advanced+」と付いた機能をよく見かけます。
「Advanced+配置」は、Facebook、Instagramで数多くの種類がある広告枠ごとの予算を、機械学習によって自動配分する機能です。
「Advanced+クリエイティブ」は、広告を見る人によってクリエイティブをパーソナライズし、自動最適化する機能です。
いずれも機械学習による自動最適化を活用した機能です。
このような「Advanced+」機能は通常キャンペーンの一機能でした。今回の「Advanced+ショッピングキャンペーン」は、キャンペーン単位で自動最適化する仕組みとなっており、これまでの「Advanced+」機能よりも自動化の範囲が大きいことが特徴です。
「Advanced+ショッピングキャンペーン」の概要
Advanced+ショッピングキャンペーンは、キャンペーン単位での売上最大化を目的に自動配信されるキャンペーンです。
キャンペーンの下に直接広告が紐づくため、広告セットは存在しません。もともと広告セット単位でターゲティングを設定していたので、広告セットがないということはターゲティングの設定も必要がないということを意味します。
Advanced+ショッピングキャンペーンでは、以下の項目を設定します。
これらの設定はこれまでのキャンペーン作成と大きく変わりません。
- キャンペーン名
- コンバージョン設定
- オーディエンス地域
- 既存顧客
- 予算
- 広告のスケジュール
- アトリビューション設定
これらを設定したうえで、キャンペーンに紐づく広告を入稿すれば、キャンペーンの設定は完了です。広告は既存のキャンペーンからインポートできるので、新しく入稿する手間はありません。
通常のキャンペーンのように広告セットでターゲティングを設定したり、複数の広告セットに同じ広告を入稿する手間が省けることは大きなメリットです。加えて配信対象を狭めない分機械学習が働きやすく、売上向上も見込めます。
手間を省き、成果を生み出す、まさに一石二鳥のキャンペーンです。
Advanced+ショッピングキャンペーンを作成する際に気を付けること
便利なAdvanced+ショッピングキャンペーンですが、作成に際しいくつか気を付けたほうが良い点があります。
それぞれご紹介します。
Advanced+ショッピングキャンペーンを利用するには「売上」キャンペーン目的を選択
Advanced+ショッピングキャンペーンを利用したい場合には、キャンペーン目的に[売上]を選択します。
[売上]を選択すると、Advanced+ショッピングキャンペーンを利用するか、手動設定のキャンペーンを利用するかの選択肢が表示されます。
既存顧客に関する情報はアカウント単位で設定する
キャンペーンの[報告中]というセクションでは、既存顧客に関する情報を設定することができます。
既存顧客の情報を設定すると、新しい顧客と既存顧客を比較する「オーディエンスタイプ別の内訳」を利用することができます。
この「オーディエンスタイプ別の内訳」は、広告レポートで新規顧客の数値、既存顧客の数値を分けて確認できる機能です。
[アカウント設定へ移動]をクリックして、[Advanced+ショッピングキャンペーン]のセクションにて既存顧客のリストを設定します。
広告はなるべく多く入稿する
最大で1キャンペーンに150のクリエイティブを入稿することができます。
既存のキャンペーンで設定されている広告はインポートできるので、可能なものはすべてインポートします。最もパフォーマンスの高いクリエイティブを見つけ出し、自動で最適化を進めていくので、選択肢が少ないよりも多い方がより最適な広告配信につながります。
既存のキャンペーンの補完的な役割で配信をする
既存のキャンペーンで成果が出ている場合、予算の100%をAdvanced+ショッピングキャンペーンに移行することはリスクを伴います。
Advanced+ショッピングキャンペーンにも機械学習のために時間が必要で、機械学習が完了するまでの間は非効率な広告配信となる可能性があります。
十分な期間が経った後でも既存のキャンペーンとAdvanced+ショッピングキャンペーンの成果を比較し、目標に近い成果を出しているキャンペーンに予算を割くという姿勢は重要です。管理の手間はAdvanced+ショッピングキャンペーンが圧倒的に小さいので、同じ成果であれば移行してもよいでしょう。
まとめ
MetaのAdvanced+ショッピングキャンペーンについて、その概要と気を付けるべき点を見てきました。
Metaの広告プロダクトにも、ついにほぼ自動で最適化が行われるキャンペーンが追加されました。
一方で、広告のクリエイティブ、ランディングページは人が介在する余地のある部分です。
機械学習のほうが優れている最適化はお任せしつつ、クリエイティブ、ランディングページといった「考え、生み出す」作業により多くの時間を使い、機械学習と共存する広告運用が潮流です。上手に活用しながら成果の向上を目指しましょう。