ビジネスモデルキャンバスとは?

ビジネスモデルキャンバスとは、ビジネスモデルを構築する上で必要な要素を分かりやすく図式化したフレームワークのことです。ビジネス(Business)モデル(Model)キャンバス(Canvas)の頭文字から、BMC分析と呼ばれることもあります。

ビジネスモデルキャンバスを構成する要素は、複数あります。例えば顧客に関する要素なら、年齢や住所、性別などで細分化する顧客セグメントに加え、顧客との関係性を示し、誰を優先的にサービス提供するかを決める顧客関係もあります。

商品に関する要素なら、商品の品質だけでなく他にどんな価値を提供できるかを分析する提供価値、そしてどのようなルートで顧客へ提供するかのチャンネルなどが挙げられます。

コスト面では、顧客へ提供された商品がどのように利益を生み出すのか、その仕組みを分析する収入構造、また生産販売の一連においてかかるコストの仕組みや最適化を分析する費用構造が要素となります。

またビジネスモデルキャンバスでは、企業に関する要素も挙げられます。例えば、企業が行う主活動に加えて支援活動など業務活動、ヒトやモノなど企業が保有しているリソースについての分析を行う経営資源、そしてアウトソーシングや取引先など提携先評価も含まれます。

 

フレームワーク

フレームワーク(framework)は物事を倫理的に思考するための枠組みという意味で使われています。状況や情報を的確に分析し、会社ごとに浮き彫りになった課題や方針へアプローチしていく手助けとなるものがフレームワークです。

ビジネスモデルキャンバスの要素

ビジネスモデルキャンバスは主に9つの視点から構成されます。順に見ていきましょう。

価値提案

顧客にとってどのような価値のある提案を行うのか、顧客のどのようなニーズに応えるのか、を分析するのが価値提案です。自社の製品やサービスがどのような価値を見出され、どのような需要を獲得するのかを考えてみましょう。似たようなサービスが競合には無いのか、どれだけの市場価値がそのサービスに見出されるのかを念頭に置くことで自社と顧客・競合とのバランスを見失わずに済むのです。

チャネル

自社の商品・サービスをどのような経路を経てユーザーに認知させるのかを考える要素です。商品のプロモーション法が最適でなければせっかくの良品も埋もれてしまいます。例えば若者向けの商品プロモーション広告を利用者年層が高いFacebookで出稿するのと利用者年層の低いInstagramで行った時のROIはかなり違ってくるでしょう。

セグメント

自社の商品・サービスがどういったユーザーをターゲットにしているのかを考える枠組みです。実はこれが一番基本な枠組みだったりします。サービスを提供したとしてもターゲットがわからないのであれば最適なプロモーションの方法には行きつきません。まずは根底とも言える顧客のペルソナを作ってみるのも良いでしょう。

リソース

自社の商品・サービスといった価値を提案していくためのリソースを見つめ直してみましょう。リソースは何もオブジェクトだけに限られるものではありません。人材なども立派なリソースになります。商品・サービスを外部に出していくためのアプローチ立案も大事ではありますが、それだけではなく価値提案が何によって支えられているのかを考え直してみましょう。

パートナー

価値提案を行っていく上で切っても切れない関係であるサプライヤーのことを指します。完全に自社完結している商品・サービスが全てではありません。例えばコンビニのおりぎり一つであっても農家から米を仕入れ物流業者が出荷に絡み店頭に並んでいます。リソースと似通っている部分もあるかもしれませんがサービス・製品の完成までの流動に関わる協業会社を確認してみましょう。

主要活動

価値提案のためのどういった行動をしなければならないのかを考える枠組みになります。市場調査や製造、人材採用などにフォーカスしてみましょう。

収益の流れ

価値提案による収益の動きを可視化する項目になります。顧客がどのような製品・サービスに金銭を払っているのか(いないのか)、決済方法などを見つめ直してみましょう。

コスト構造

全体のビジネスの流れを構築していくにあたっての費用を考えてみましょう。

ビジネスモデルキャンバスの活用事例

2009年に創業されてから瞬く間にサービスを拡大しているUberは、ビジネスモデルキャンバスを活用した事例として挙げられます。顧客的な要素では、ビジネスユーザーやマスマーケットを対象としてヘルプサービスやブログの自動化を行い、モバイルアプリを使った販売活動を設定しました。商品提供とドライバーはアウトソーシングした上で、Uberは運賃の一部を利益として得る収入構造となっています。ITインフラやマーケティング活動、そして幅広い支払い決済パートナーやリワードプログラムパートナーの協力を得たことで、ビジネスモデルキャンバスで分析評価したモデルが、実際の運営にも如実に活かされていることが分かります。

まとめ

ビジネスモデルキャンバスは、顧客の満足度やニーズという観点から、どのようなビジネスモデルを構築するべきかを分かりやすく分類して分析するフレームワークです。分析評価する項目は多いものの、幅広い視点で各要素を評価することで、確立するべきビジネスモデルを見つけやすくなります。